オリジナル 短編集 | ナノ






あなたたちの同人誌を作りたいんだ

「で、でも…どうして突然。しかもキャラクターではなく生身の人間を登場させるなんて、君のやりたいことがさっぱり分からない」


「前にも言ったかもしれませんが、僕は亜城木先生が大好きなんです」

「それは僕たちの作る作品が、っていうことだよね?」


「もちろん作品も大好きです。しかし、それだけじゃない。僕は作品のみならず、それを生み出した作家自身も大好きなんだ」

「あ、ありがとう。そう言ってもらえて嬉しいよ」

「ちょっ、どうして後退りするんですか!? 確かに言い方が言い方ですけど、これ以外にどう表現したらいいか分からないんですよ! 僕は亜城木先生のこの世は金と知恵を読んで以来、ずっと先生を追い掛けて来た。ずっと憧れてきた。憧れが度を過ぎて、お二人には色々ご迷惑をお掛けしたりもしました」

「あれって、憧れが度を過ぎた結果だったの!?」


「そうなんですー! 僕、何かを好きになり過ぎるとどうしたらいいか分からなくなっちゃうタチなんですよねえ」


「何としても追い越さなきゃいけない……あの頃の僕はそればっかりで。本当に大切なものを気付いたら見失ってしまっていたんです」


「でも、ようやく目が覚めました! 僕がやりたかったことはまさにこれなんだって、やっと自分にとって本当に大切なものに気づくことができたんです!」

「僕は亜城木先生が好きだ。もちろん、どの作品も大好きですけれど、本当に好きなのはそれを生み出した作家自身。そのことにやっと気づいたんです」



「なによりも、お互いがお互いを信頼し、ここまでやってきた、お二人の絆は素晴らしい。友情・努力・勝利、まさにジャンプ作品の掲げるスローガンを亜城木先生は自身をもって証明しているように感じたんです。僕はそんなお二人に憧れを抱いてる。互いが互いを信頼し、高め合う。目の前に立ちはだかる壁をお二人でぶち破り、お二人で勝利に向かって突き進む。その姿には圧巻です! そんなお二人にかつての僕は完敗した。僕にはその絆は真似できない。僕にもう勝ち目はない。そしてやっと目が覚めたんです…!」


「これからは亜城木夢叶を追い越すんじゃない。亜城木夢叶の一番のファンでいようって」





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