仲間



オルフェウスとの試合も間近に迫ったある日、日本代表)は練習試合を行っていた。

不動たちは見事皇帝ペンギン3号を決める事ができた。



「これなら明日の試合も決められそうだな」


「ああ。これで絶対に勝とうぜ」


なんて佐久間と話していたら、鬼道が思い詰めた顔をしていた。そして鬼道のプレーは乱れていき、結局もう一度技を決めることは出来なかった。


「すまない」


鬼道はそれだけ言って去っていってしまい、夜になっても顔を見せなかった。らしくないとは思ったが、仕方ないと言えば仕方ない。不動や佐久間が明日の試合に懸けているように鬼道もそうなのだから。
隣を見れば心配そうな佐久間の姿があった。


「なんだよ佐久間。鬼道クンが心配なら行ってやれよ」


精一杯の強がり。本当は側に居て欲しい。


「お前も心配なんだろ?お前は行かないのか?」


「何で今俺が出てくるんだよ」


「いや、その俺が行くより不動が行った方が鬼道も喜ぶと思って…」


「何また訳分かんねぇ事言ってんだよ。それなら二人で行くぞ」


不動はそう言って佐久間の腕をぐいと引っ張り、グラウンドにいるであろうチームメイトの元へ向かった。



―――――






「三人で決着つけるって決めただろ?」


「心配かけてすまなかった」


「一人で抱えるなよ。俺も不動もお前の仲間なんだから」


一人で練習していた鬼道に軽く説教をする。
辛い時や苦しい時こそ仲間というものは尊いものなのだ。不動はこのチームに入りそれを知った。そして鬼道と親友になってそれを実感した。まぁ佐久間は仲間というよりは――――。


「明日の試合、頑張ろうな」


「当たり前だ」


「勝って決勝戦に進もうぜ」

そう言って三人は練習を始めた。




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