決意



アメリカ戦では折角だから皇帝ペンギン３号を使いたかった。
だが、佐久間が今回試合に出ることが出来なかったのでお預けとなってしまい､不動としては残念だった。久遠監督はあまり佐久間の事が好きではないようだ。
ついでに言うと風丸の事も好きではない。ただ、風丸は出さないと豪炎寺がストライキするためスタメンになっていた。嫌いな理由は簡単、冬花よりルックスが良いから。不動はそもそも女子に興味がないのでよく分からないが､実際に日本代表の公式サイトには選手が可愛いという書き込みばかりである。
そして、その中でも人気が高い二人が久遠監督から目の敵にされてしまった。風丸は原因も分かっているらしく気にはしてないようだが､佐久間は気付いていないようで､何か悪い事でもしたんじゃないかと密かに気にしている。あまりにも可哀想だと思う。だが､不動は自分が文句を言っても佐久間と一緒にベンチ送りになるのがオチなことを分かっていたので､気にするなと言って肩を叩いておいた。


そんな監督の事よりも、今は影山率いるオルフェウスとの戦いの方が大切なのだ。今度こそ皇帝ペンギン３号を決めたい。イタリア戦は不動にとって重要なものとなっていた。それは自分自身と親友、そして自分が恋した人が決着をつけるための試合でもあるから。



(絶対勝ってやるよ)


不動は強く誓った。