再会



グラウンドに入ると練習している者はわずかで、なにもしていない人が多かった。


「練習しなくても余裕って事か。随分なめてんだな」


「俺たちをグラウンドから追い出したのは嫌がらせということになるな…」


相手チームに憤りを感じていると向こうから声がした。


「おい!お前らそこで何をしてる!!」


「「あー!」」


声の主を見て不動と鬼道は思わず指を指した。その男は先程二人を襲った奴だったのだ。更に隣にいたのは…


「影山…」


影山は嘲笑うように鬼道を見た。


「わざわざお前からここに来てくれるとはな。捜す手間が省けたものだ」


知り合いのような話しぶりを見てフィディオは驚いた。


「二人ともMr.Kを知っているのか?」


「Mr.K!?こいつは影山っていうんだよ。それより影山!佐久間はどこだ!!」


「私は知らない」


そう言って不敵に笑う影山の顔に嘘はなかった。


「じゃあ鬼道のパクりみたいなやつは」


「パクり?デモーニオのことか」


佐久間のことはまだ分からないが、影山が関係していることは確定した。どうやら鬼道に似た奴はデモーニオというらしい。
だが辺りを見渡してもデモーニオの姿はどこにもなかった。鬼道が食って掛かろうとしたとき、遠くから鬼道目掛けてボールが飛んできた。


「!?」


鬼道は素早く反応し、ボールを蹴り返した。するとそれを見た影山が素晴らしい反応だと言い、言葉を続けた。


「やはりな、私の最高の作品は鬼道だったという事だ」


「俺はあんたの作品なんかじゃない!」


「果たしてそうかな?お前のサッカーは私が手掛けたものだ」


鬼道と影山の言い合いを不動とフィディオは見ているしかなかったが、終わる気配がみられない。それどころか鬼道は完全に影山の呪縛から逃れられなくなっていた。

不動はそんな鬼道に痺れを切らして、


「何影山の罠にはまってんだよだらしねぇな。おいフィディオ、鬼道クンは任せた。俺は佐久間を捜しに行く!!」



そう言って不動は走っていった。





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