03
邪魔…
なんでいちいち私の前でうろうろしているのよ深弥は!
「えへへっ!」
それにすごく笑顔だし…
校門をくぐった後、操緒ちゃんと深弥が仲良く話ているのを知らないふりをしながら見ていると
「───おはよっ、トモ!由羅!」
杏ちゃんの元気な声が聞こえ、走ってきた。
「遅いよ、トモ。
由羅も。
クラス分け、見てないでしょ?
二人とも、七組だよ。
あたしと一緒」
『やっぱり同じクラスだったね』
「そうだね」
「じゃあ、友達を待たせてるから行くねっ。
またあとで教室で」
杏ちゃんは一方的にそう伝えて、校舎へ駆けていった。
『私も昇降口で友達と待ち合わせてるから、先急ぐね。
また教室でね』
「また、あとでー!」
深弥も笑顔で言いながら、二人で手を振り走って向かった。
「あ、うん」
確か、昇降口は…っと
『奏、おはよう』
「由羅…」
前で待っていたのは、私の親友の奏。
「遠くから奏を見てる人達がいるみたいだよ?」
深弥が私に言ってきたから、周りを見たら確かにそうだった。
『行こっか、奏』
「あ、うん」
奏も私と同じ7組になったようで、教室で話している。
「由羅、式始まるって。
みんな行き始めてるよ」
『そっか…
って深弥、時間まだあるよ』
「ばれたか…」
『あ、奏。
放課後、家行くんだっけ?』
「うん、そのつもりだけど…
由羅どうかしたの?」
『私も来いって言われてたから、ついでに制服見せもってところ』
深弥がね…と付け加えて、周りが移動する雰囲気と感じとって、奏を連れて行った。