02
夕陽が部屋の小窓に光が入り部屋の白い壁が茜色に染まる。
明日からの高校生活に胸を馳せながら、部屋の掃除をしている。

そういや、おじいちゃんが実家(うち)に来いって言ってたな…そう思いながら続けていたら

「由羅ー!
 見て、外、外」

私は、ベランダで騒いでいる深弥の元へ向かう。

『なに、深弥。
 なにか見つけたの?』

「うん、向かいの鳴桜邸にトモくんたち発見!」

そう言われ、向かいの家と言うより邸宅を見ると同じ中学だった二人がいた。

『私は、智春くんたちの所に行くからお留守番よろしく!』

「来ても居留守に成るけどね」

深弥の冗談を聞きながら、智春くんたちの所に向かっていく。



「あれ、由羅ちゃんだ」

気づいたのは樋口くん…だけど、本当は操緒ちゃん。

『智春くん樋口くん久しぶり!
 卒業式以来だね』

「おー、久しぶり!
 でもなんでこんな所に居るんだ?」

『家からたまたま二人が見えたから来たの。
 鳴桜邸広いから掃除するなら協力するけど、どう?』

「掃除は時間無いから必要な所だけやっておいた」

私の質問に智春くんが教えてくれた。
 
『なら今度かな、いつでも言って協力するから』

「てか家大丈夫なのか?」

『え、家ならあそこだけど…』

そういって向かいの家を指差す。

「あの家って由羅のだったんだ」

驚いている智春くん。

『ちゃんと見てほしかったな。
 表札に衣剱って書いてあるの気づいてよ。

 あっ、夕食作らないと。
 樋口くんは判らないけど、智春くんは同じクラスだろうね。
 また、明日』

「おう」
「あ、うん」

「由羅ちゃんまたね〜」

樋口くん智春くんの後に聞こえた操緒ちゃんの声を聞こえないふりをして、深弥がだだこねてるだろうと思いながら、家に入った。

 


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bkm
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