お前のその美しさに腹がたつ。
後ろめたさの陰鬱すら拒絶するお前が。その打算のない感情が苦しい。
お前の潔癖な沈黙が、俺の葛藤を醜い自己完結にする。
けれどこの鬱屈をぶつけるのに、お前は弱すぎる。弱く清い。自己犠牲と、諦めの美しさ。
お前の自己否定を突きつけられる度、「真っ当な」愛を与えられぬのが、つらかった。
宮村、お前にこそ女が必要なのでないのか!
結局、もうごめんなんだ、とだけ言う。気味の悪い曖昧な笑いを口の端に貼り付けて、苦痛の顔すら上手く作れずに。
これほどに愛おしい、柔らかな好意を、ずたぼろに引き裂いておいて、それに見合う動機すら自分は満足に見繕うことができないのだ。
支離滅裂な男。やぶれかぶれの、情けない人間。
これだけが、自分の確かな感情感覚だというのに、自分でもその二つの感覚の間にあるはずのコンテクストが分からないのだ。

宮村、お前が好きだ。大好きだ。
そして、さよなら!







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