「跡部さん…俺はあなたが好きなんです」
「そうか」
「好きで好きで好きでたまらないんです」
「そうか」
「跡部さんは…?跡部さんは俺のことどう思っていますか?好きですか?好きですよね?」
「そうだな」
「そうですよね。そうじゃないとおかしいですもんね。ここまでしたのに嫌いだなんて言われたら…俺…、おれ…ッ」
「落ち着け日吉。俺はお前のことが好きだ。この気持ちは変わらねえ」
「あ、あああ、嬉しいです…ッ、嬉しいです跡部さん…!やっと貴方の気持ちを手に入れれたんですね!」
「ああ、そうだ。だから頼む。ここから…」
「なんですか跡部さん。ここから?どうしたいんです?まさか出たいなんて言わないですよね?言っちゃだめですよ?言ったら俺きっと貴方のこと■しちゃうかもしれないですから。俺、貴方のこと■したくないんですよ。言ったでしょう?好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで仕方ないんです。貴方のことを考えるだけで幸せな気分になって■や■を持ってきそうになるんですから…やめてくださいね?」


そう言った日吉の目は本気で、俺は寒気が治まらなかった。
俺がいるのは日吉の家の地下で、家族は地下があることは知らないらしい。
なんでも日吉が幼いころにたまたま見つけて、秘密基地にしていたようだ。
地下だから当たり前のことだが、窓がなければ風もない。日の光もない。あるのは電球からの明かりだけで、そんな中に1ヶ月も籠りっぱなしだったら誰でも気がふれる。
大勢からの浅く、軽く、遠慮がある愛を選ぶか、一人からの深く、重く、遠慮のない愛を選ぶか…そんな選択を迫られたら俺は躊躇いなく後者を選ぶ。
そんな俺の心を見透かしたように、日吉の愛は、深く、重く、遠慮がなかった。
毎日毎日愛を囁かれ、絆されていく俺の心は、少しずつだが落ちていった。
こんなこと、いつかはばれてしまうと分かっているのに…、このままずっとこの瞬間が続けばいいのにと本気で思ってしまっている。
ここから出してくれと言うのも、日吉からの愛が聞きたいからであって、本気ではない。それは日吉も分かっているはずだ。


「愛している、日吉」
「好きですよ、跡部さん」


それから、最近気づいたんだが、こいつから"愛してる"と言う言葉を聞いたことがない。
"愛"を知らないのか、それともわざと言わないようにしているのか…。
わざとなら、意地でも言わせたくなる。
知らないのなら…

俺がじっくり教えてやる。





−−−−−−
勢いで書いたら日吉病んじゃいました。
跡部も病んじゃいました。
勢いって大事だけどいかんな。

20120918
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -