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 情報屋とひきこもり少女

タイトルの通り、夢主は引き籠り。
その夢主の一日はというと、昼12時ごろ起床、すぐにゲームとパソコン起動、1時間ぐらいゲームしてから洗顔と朝昼兼用の食事、食事が終わったらパソコンでゲームしたりサイト巡ったり小説書いたりを日が暮れるまで行う、そして親が帰ってきたら晩御飯を食べてお風呂入ってパソコンして深夜アニメ観てやることやって就寝。
この行動をほぼ1ミリもずれることなく毎日行うのが夢主の中での当たり前。
そして、その当たり前が某情報屋によって崩されることとなる。
何気なく入った掲示板、そこは某情報屋が管理する自殺サイトだった。
夢主は人の死というものに関心はないのだが、このまま見なかったふりをするのもなんだしと、軽い気持ちで通報した。
数日後、夢主のもとに奈倉という人物が訪ねてきた。
夢主は別に殺されなかったらいいかと見知らぬ者を家に上げた。
すると玄関に入ったと思ったらいきなりナイフを夢主の首に突き付けられる。
思考が停止している間に奈倉という人物はぺらぺらと饒舌に話し出した。


「あのさぁ、余計な事しないでくれる?君が通報してくれたおかげで俺捕まりそうになったんだけど。まあ、そんな捕まるなんてへまはしないけどね。けどもう"奈倉"って名前目つけられたからもう使えなくなっちゃったんだよねぇ。ほんと、どうしてくれるの?俺普段はこんなことされても怒らないよ?怒らないけどね、仕事邪魔されて頭にこないやつはいないよねぇ。だから俺君ん家見つけ出してこうやってもう邪魔しないでねって忠告にきてるわけ……。分かった?これからああいうサイト見つけても通報しちゃだめだよ」
「………」
「なに?まだ固まってんの?」
「いえ、もう平気です」
「あは、意外と図太いんだね」

にこりと嘘くさい笑顔を浮かべる奈倉。

「そうですかね。あの……」
「なあに?」
「これって痛いですか?」

これと指さしたのは自分に突き付けられているナイフだった。

「は?」
「ですから、このナイフに刺されたり斬られたりすると、痛いですかって聞いているんです」
「そりゃあ痛いと思うよ?君が思ってる以上にね」
「そうですか……」

そう一言言うと、ナイフが食い込むように上半身を前に倒しだした。
その行動に奈倉は嘘くさい笑顔のまま訳が分からないというように首を傾げた。
少女首からは血が流れ始めた。

「……確かに痛いですね」
「そりゃそうだろうよ。で、このままじゃ君、死ぬよ?」

目をスッと細め血を流す少女を見つめる。

「そうですねぇ。くらくらしてきました……」
「それ貧血起こしてるよね?そうだよね?え、まじで死ぬよ?いいの?それでいいの?」
「あー……、じゃあ、奈倉さん、私を」

生かしてくれますか?

「……そうだね、それじゃあ取り引きをしよう」
「構いませんよ」
「俺が君を生かしたら、君は一生俺の側で俺の駒として動いてよ」
「それが取り引きなら、私はそれに従います」
「随分とあっけらかんとしてるね。これには流石に反抗すると思ったのに。……君はそんなに自分の命が大切に思っている感じがしないんだけど」
「ええ、正直どうでもいいです。でも、誰かに必要とされるなら、私は生きますよ」
「いいねぇ。これも一種の依存だよ。じゃ、行こうか」

折原は座り込んでいる少女に手を差し伸べた。
その手を取ると同時に、少女の消息は絶たれた。


2012/12/22 13:52
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