第73話

キュウコンというポケモンがどうして9本の尻尾を持っているのかについては諸説分かれている。伝承としては、神通力の使い手である9にんの聖者が合体してこのポケモンに生まれ変わったという言い伝えが残っていたり、9本の尻尾にはそれぞれ違う神秘的な力が秘められている神様の使いである、という話があったりする。

一方で、キュウコンというポケモンはいろんな地方において、ポケモンのお墓や霊的な伝承が残っているスポットにしか出現しないという変わった分布図を描いていることもトレーナーの間では結構有名な話だ。今は火山の噴火ですっかり風化してしまっているけれども、一時期話題になった元ロケット団関係者の行方不明の大富豪が所有していたポケモン屋敷に、ロコンやキュウコンが出現したという目撃情報もあったらしいから、オカルトが好きなトレーナーはわりと好んで話したりする。もちろん、その手の話は大の苦手なはずのクリスが何で知っているのかと言えば、どこぞのダイナマイトプリティギャルが怖がるクリスを面白がって、隙を狙ってはいろいろとそういう話を仕入れて来ては吹聴してだからだ。そのほとんどの情報元が実はエンジュシティのジムリーダーだと知った時の衝撃は今でも忘れない。1000年は生きると言い伝えられているそのポケモンは、頭がよくて執念深く、ふざけて尻尾を掴むような不届き者は祟られるという昔話をクリスは聞いたことがあった。

黄金色の体毛ではなく、銀色に輝く体毛と9本の長い尻尾を持つそのポケモンに出会った時、あまりの美しさにクリスはすっかり目を奪われてしまい、ここがサファリパークだということを忘れてしまった。真っ赤な瞳は怪しい光を放ち、相手の心を自在に操るという噂はあながちウソではないかもしれない。なにせ、すっかりその姿に目を奪われてしまったクリスは、初めてその色違いのキュウコンを見かけた時、一歩すら歩くことも許されないまま、直立不動にならざるを得なかった。キュウコンがこちらの方に気付いて、奥の森の方へと姿を消すのを見届けるしかなかったのである。

はっと我に返った時、あああああ!と大声を上げた女の子の素っ頓狂な声が響きわたり、クリスは自分がやってしまった大ポカを大いに落ち込むことになる。何やってんのよ、私!と我に返った彼女は、あわててキュウコンが消えていった森の奥へと歩みを進めることになったのだ。

1000年以上生きたキュウコンの体毛は黄金色に輝いているというが、その時クリスが目撃したキュウコンは見まごうことなき白銀。銀色の月のような美しい色をしていた。夕暮れ時の薄暗い草むらの中で、うっすらと上り始めていた三日月と一番星を背に、きらきらきら、と輝く光沢は、それはもう息を飲んでしまうほど神秘的なものだった。なかなかレアなポケモンに巡り合うことが出来ず、このままでは夕ご飯を食べる時間がなくなってしまうというぎりぎりまで頑張って、サファリボールを握りしめ、粘りに粘った自分へのご褒美じゃないかってその時のクリスは思ったのである。サファリパークに来たのだって、ポケモン図鑑を少しでも完成に近づけるため。そのエリアに出現するポケモンの中にキュウコンの名前があることを知らないまま、クリスは汗ばむ手から零れ落ちないようにポシェットをしっかりと握りしめたのだ。色違いという非常に珍しいポケモンに巡り合えたという興奮のあまり、疑問になんて思うことなく、お願いだから逃げないで、逃げないでよ、と心の中で願いながら、クリスはそっと愛用のカバンの中から素早く餌箱を取り出して、ボール状の餌を転がしてみたのだ。さすがにあんなにきれいな姿をしているキュウコンに向かって泥団子を投げるなんてとんでもない所業は出来なかったから。

えいっと渾身の力を込めて投げた餌だまは、ちょうどキュウコンの数メートル先に堕ちてしまい、ノーコンっぷりにクリスは若干落ち込む羽目になったのだが、それはいい。何はともあれ、こちらのことを警戒しながらも、クリスが一定の距離を保って見守っていると判断したらしいキュウコンはその餌を口にしてくれたのだ。その時、クリスはとっても嬉しかったのだ。キュウコンがもぐもぐと餌を食べている様子はとってもかわいいもので、クリスはますます、ほしい!という気持ちが胸を高鳴り、絶対に捕まえて見せるんだから!と15個をきっていたサファリボールと餌だまをすべてこのポケモンに費やそうと決めた。ちょっとだけ、ちょっとだけ、と近付いていったクリスの足音に機敏に反応したキュウコンは、餌を咥えたまま、たたたたっと軽快な足取りでさらに森の奥深くへと入って行ってしまう。あ、まって!とクリスはどんどん暗くなっていく周囲のことなんか、すっかり忘れてしまい、そのままさらに奥へと進んでしまった。そして、クリスは夕食のことなんてすっぽ抜けてしまい、真っ暗になっていく森の中でも、鬼火が如くきらめく白銀の光を頼りに、一生懸命そのキュウコンの後を追いかけたのだ。時折キュウコンは立ち止まって、こちらを試すかのような仕草をしてはじいっとクリスを見るのだ。クリスは餌だまのストックをもっと取っておくんだった、と後悔しながらも、懸命に気を引こうとして餌だまを投げてみたり、泥団子を逃げていきそうな方向に予め投げて進路方向を返させたりしながら、ひたすら粘った。キュウコンは餌だまを食べるそぶりは見せず、まるでどこかに運ぶかのように餌だまを口にくわえたまま運んでいく。もしかして、という予感はずいぶんと遠くまで来た時にはクリスの中には既にあったらしい。一定の距離を保つのはもう約束事項になりそうなほどの追跡時間を費やしたクリスは、色違いキュウコンたちが住んでいるコロニーに到達したのだと知ったのは、そのキュウコンが姿を消した洞窟の向こう側で、たくさんのきらめく羽毛を持つ狐が周囲を警戒するように徘徊し始めた時だった。銀色のキュウコン、通常色である黄金色とも称されるオレンジ色の羽毛をしたキュウコン、正真正銘の金色をしたキュウコン達がクリスの前に現れた時、もうクリスの心の中はすっかりハイテンションになっていたのだった。なにせ、クリスは茂みの向こう側で沢山のロコンたちが無邪気に銀色のキュウコンが持って帰ってきた餌だまにとびついたり、じゃれついたりしているかわいらしい姿を見ることができたから。

尻尾が一本しかないロコンを見た時の衝撃は言い表せないものがある。ロコンと言えば尻尾は6つが常識だ。いくらポケモン図鑑で生まれたばかりのロコンは尻尾が1本しかないと言われても、ジョウト地方にいるロコンは出現率が低いためか、野生でお目にかかることはめったにないのだ。愛情をめい一杯に受けているらしいロコンたちは、みごとに美しい巻き毛を作っていて、銀色に似た白い尻尾を持っているロコンは、尻尾がくるくると回り始めたばかりのようだった。

そして、そんな観察者のことをやはり快く思わないキュウコンもいるようで、クリスの前に現れたのは、そのキュウコン達の長ともいうべき風格を漂わせる銀色のキュウコンだった。サファリパークはポケモンを出してバトルして捕獲することが原則禁止されているから、クリスも最初は泥団子を投げたり、えさだまを投げたりして、なんとかサファリボールを投げたが、ことごとく外されてしまう。サファリパークに生息しているポケモンたちは人間に慣れている部分は少なからずあって、人間に襲い掛かってくることはめったになく、だからこそサファリパークは独自のルールを形成することが出来ている。だから、油断していたのかもしれない。おかしい、と気付くには遅かったのだ。いくら色違いのキュウコンだからって、すっかり夜になっているにも関わらず月明かりすらささない洞窟の中で、クリスが肉眼で姿を確認できることの異常性。昼間になると体温が高くなってしまうため、自分の体温を調節するために炎を吐き出すとされているロコンやキュウコンが、月明かりのまぶしい宵の刻に、どうして鬼火や火の粉を呼吸するかのように当たり前のように行っているのか。敵意をむき出しにして襲い掛かってきたキュウコンに、逃げる事すらままならないと判断したクリスは、しかたない、とその場しのぎのつもりでヌオーを出したのである。単一炎のキュウコンにとって、水・地面の複合ポケモンであるヌオーは天敵のはずだ。トレーナーの持っているポケモンじゃあるまいし、野生のキュウコンが草タイプの技を習得しているとは考えにくいから、クリスの判断は間違っていない。炎技が等倍になってしまうのは痛いが、やけどを考慮するにしても、あくびを誘って眠らせてしまえばいくらか勝機はある。正当防衛の言い訳として、これで捕獲してもアウトだろうからスタッフに申し出るつもりで、クリスはヌオーに指示を出したのだ。

「お願い、あくびで眠気を誘って!」

キュウコンが先手をきる前に行った指示でも、実行できるかどうかは指示されたポケモンの速さで決まる。お願いだから吠えるなんてしないでよ、とクリスは願ったのだ。怪しい光は厄介だ。鬼火もあんまり好きじゃない。でも、吠えるをかまされて、戦闘が強制終了の方がよっぽどつらいのだ。のんびりとした性格を体現したかのような大あくびをかましたヌオーの口から吐き出されたあくびの煙がキュウコンに広がった。いつもお風呂タイムには気ままに泳いでは水辺のいろんなところに頭をぶつけているおっちょこちょいでも、やる時にはやるのだ。ずーっと口を開けてご飯がもらえるのを待っているようなのんびり屋さんは、あんまり動かないのでおなかがすかない。夕食がすっかり夜食にタイムシフトしつつあるにもかかわらず、おなかすいたとへたり込むことはなく、キュウコンの出方を待っていた。これでもう一ターン相手の攻撃を耐えることが出来れば、相手は眠りに落ちる。後はもらい火持ちかどうかを確認した後でゆっくりダメージを与えていこう、とクリスはサファリボールを構えたのだ。


野生のキュウコンの先手攻撃はクリスの予想をはるか上に超越した。


収縮する黄緑色の光。広がるのは、新緑の波紋。


「え!?」


思わず声を上げた時にはすべてが遅かった。
本来なら、技マシンでしか習得できないはずの技である。しかも溜めが無ければ発射することが出来ないのは、トレーナーならば誰でも知っているはずだった。だから、一瞬クリスは判断が遅れたのだ。どういう訳か、一気に攻撃の態勢に入るキュウコン。クリスの耳に残っているのは、空高く響き渡るキュウコンの鳴き声と9本の神通力を操ると言われている白銀の尻尾から放たれる強烈な光の束。空高く舞い上がった新緑の光線は、太陽不在の真夜中でもまばゆいほどの光を放つ。事実上の破壊光線だったといってもいい速度だった。音すら置き去りにして月明かりを突き破って降り注いだ特殊草技最高威力を誇るソーラービームが、ヌオーに叩き込まれたのである。いくら特こうが低めで、催眠術や怪しい光、悪巧みの補助が無ければ火力不足とも言われてしまうような決定力の無さが浮き彫りになってしまう、トリッキーな戦い方が主流なキュウコンの威力でも、4倍を誇るダメージ量にヌオーが耐えきれるわけがなかった。一瞬にして地面に倒れ込んだヌオーに呆然としているクリスの目の前で、ためなしソーダ―ビームが降り注がんと迫りくる。あわてたクリスは、モンスターボールを投げたのだ。ごめんね、とぐったりとして目を回しているヌオーを回収する。注ぎ込まれた光の光線を跳ね返し、ぶるぶると首を振った相棒は、背中の炎をたぎらせた。


「バクフーン、お願い!気合玉!」

ヌオーの敵を取るべく立ち上がった相棒は、レンズ越しにしっかりとキュウコンの狙いを定めて咆哮をあげる。キュウコンが新たな攻撃を発動させるために、今度は茶色い光を就職させ始めた時、さすがにクリスは焦ったのである。今度はたぶん、大地の力。いくらなんでも無茶苦茶だ。しかも、さっきの溜めなしソーラービームなんてありえないの領域をはるかに超えている。エナジーボールのモーションじゃなかったのだ。ソーラービームと見間違えるほどクリスは初心者であるつもりは無いので、なおさら分からない。これは本気でかからないとまずいかなと思って、必死だった。繰り出される光の砲弾がさく裂した。攻撃が直撃したことで一気に飛びのいたものの、タイプ不一致、特防たかめのキュウコンンはやっぱり動じる気配はない。さく裂した大地の力によって発生した波動が直撃してバクフーンは悲鳴を上げた。大丈夫!?と声を上げたクリスに、うなづいたバクフーンを確認したクリスは、すかさず指示を重ねたのである。もらい火という、炎技を受けるとだめーっじは無効、ほのお技の威力が倍増してしまう特性しかロコン、キュウコンしかないはず。もしかしたら、という予測を証明するためでもあった。猛火を発動したバクフーンにクリスは言ったのである。


「大文字!」


休憩所でようやく巡り合えたクリスの話を聞いた俺は、はー、と感嘆するしかなかったりする。なんだよ、その色違いフェスティバル。その結果がこの子なの、とクリスが見せてくれたサファリボールはものの見事にエラーの文でうめつくされているキュウコンが収まっていた。ソーラービームに大地の力、鬼火に朝の日差し。はい、ダウトおおおお!キュウコンは朝の日差しなんて晴パ御用達の技覚えねえよ!もし覚えてたら、もっともっと耐久特殊のお株があがってたっての、この野郎。真っ先にありえない技の組み合わせだと告げた俺に、技マシンでもダメなのね、とさすがにそこまで知らなかったらしいクリスは、キュウコンがちょっとどころではないとんでもないポケモンだと気付いたらしく顔が引きつっていた。しかも、極めつけに特性は日照りとはっきり書いてある。は?なんだよそれ。目が点になっている俺を見て、クリスはどうやら俺も知らない特性だと勘違いしたらしく、何なのかしら、もしかして新しい特性?と無邪気に笑っているので釘をさす。

「いやいやいや、こいつ、あれだから。ホウエン地方にしかいないはずの伝説のポケモンが持ってる専用特性だから!大地を広げた神様の特性だから!」

「え?嘘っ!そうなの?」

「そうそう!効果は半永久的に日本晴れ!なんでキュウコンがそんな偉大すぎる特性持ってんだよ、おかしいだろ!」

「えええっ。で、でも、ゴールドが捕まえたその子たちは天候を変更できる特性持ってるじゃない」

「それとこれとは話がべつだっての!伝説のポケモンしか持ってない特性だからこそ、晴パは今まで起動となるポケモンが居なくて結構四苦八苦してたんだよ!先手で眠らせてとか、いろいろ対策講じないと技展開できねえから!……でもなんでキュウコン?」

「そ、そうなの?なんかいろいろ大変なのね。でもほんとね、どうしてキュウコンなのかしら」

「天候を変えるとなると、後攻のポケモンの方が優先されっからさ遅いほうが有利なんだけどなあ。キュウコンって早いじゃん。マグマッグとかはまだ分かるけどさ、なんでこんなに早い奴が日照りもち?いや、欲しいけど。普通に欲しいけどさ、朝の日差し覚えてる時点で、多分いろいろ弄られてるとは思うよ。かわいそうになあ」

キャンペーンとかで配布されるポケモンとか考えてみたけど、正直誰特過ぎる部分はあるし、野生でサファリパークにいる時点でおかしいので俺が捕まえたこいつらと多分お仲間なんだろう。色違いで特性専用でしかもメスって時点でダウト。見ただけでも結構能力値高そうだしなあ、普通に6V行ってそうで困る。下手したら卵を増殖させて、日照りロコンを量産する悪徳商売する奴が出かねんぞ、おい。500円でコイキングよりよっぽどあくどい商売に違いない。お前も大変だなあ、ってつぶやいた俺に、クリスがぽつりとつぶやいた。

「ゴールドって前から思ってたけどどうしてそんなに詳しいの?まさかとは思うけど、そんなことしてないわよね?」

「してない、してない!んなわけないだろ!クリスはGTSしたことねえからそんなこと言えるんだよ!」

「え?そ、そうなの?」

「そうだよ!色違いのポケモンとか言うから見てみたら、明らかに能力値がおかしいとか、技がおかしいとか、入ってるボールがおかしいとか、特性がおかしいとか、たまーにいるんだよ」

「……ポケモンマニアのお兄さんが言ってたことってホントだったんだ」

「え?なにそれ」

「実はね、最近、グローバルターミナルでそういった不正な取引が問題になってるらしいの。もしかして、この子たち、交換に出されたポケモンたちを売りさばくために育てられてるのかしら」

「まじか。……なら、この研究所、真っ暗じゃね?」

「……そうかも」

「もしかして、やっぱりロケット団の資金源だったりすんのかな?」

「……そうとしか、考えられないよね」

「だよなあ。もしかして、バオバさんがロケット団のパトロンだったりして」

突然だまりこんでしまったクリスに、おーい、どした?と声をかけた俺は、今にも泣きそうな顔をしているクリスと目が合ってしまって、ぎょっとした。

「お、おいおいおいおい、どうしたんだよ、クリス」

「違う」

「え?」

「違うの。絶対、違う。サファリパークはロケット団のパトロンなんかじゃない!」

「クリス……」

「バオバさんがサファリパークをタンバシティに移転させたのは、
卵が発見されたことでいっぱい増えちゃった、育てられないっていう理由で引き取られたポケモンたちを保護するためなの。
今までは、ポケモン保護の会とかNGOの人たちとやってたんだけど、
 それだけじゃどうしても間に合わないからって。もっともっと広大な土地がいつからって。
 サファリって名前がついてるけど、サファリパークは自然公園じゃないでしょ?
 うちは育て屋さんをしてるから分かるの、ゴールド。卵や小さなポケモンたちはね、
 こうやって守られてるの。絶対に、バオバさんは、違うと思う」

「そ、そっか、ごめんクリス。オイラ無神経なこと言っちゃって」

「ううん、いいの。ゴールドが勘違いするのも無理ないと思う。
 私も詳しくは知らないけど、もしかしたら、研究をしている人の中にロケット団の関係者の人がいたのかもしれないわ。
あの事件から3年たって、シルフカンパニーでつかまった人たちの中には、
執行猶予とかついてる人、保護観察がついてる人、いっぱいいるの。
 ボランティアの名目でこういう施設でポケモンたちの世話をするためにって出入りする人たちがいるって聞いたことがあるわ。
 もしかしたら、ロケット団の活動が活発になったから、いろいろ水面下で動いてる人がいるかも」

「なるほど。まあ、シルフカンパニーって言えば一応、すっげー技術者ぞろいだろうしなあ。
 よっぽどのことがない限り、まともになってくれるとは思うんだけどなあ」

「でも、まともだったらはぐれ研究員になんかならないと思うわ」

「あー。そっか」


難しいもんだねえ、と思いつつ、俺たちはとりあえずしばしの休息を兼ねてお互いの状況について説明することにしたのだった。

「なあクリス、ケーシィで戻るか?」

「バカ言わないでよ、せっかくここまで来たんだもん。私だって頑張るわ」


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