「すごい音だな…」
「う、うるさいっ!」
そう、何もなかったらもうすでに昼食をとり終えている時間。
突然の出来事ですっかり忘れていた空腹感が、リリとの会話が一段落するのを合図に一気に押し寄せてきた。
私のお腹は、もうこれ以上待てないとでも言うようにサインをだしてくる。
「ごめん、リリ。もう限界だわ、ご飯食べたいから帰るね。」
「わ、わかったのだ。」
ご飯食べたいから帰るとか幼稚園児なみだな、と情けなくなってくるが
空腹なのだから仕方がない。
お腹を軽く押さえながら歩きだした私の後ろでかすかにリリの声がしたけど、私の頭は昼食のことでいっぱいで背後のことに気を回す余裕がなかった。
「そうか、いつの間に昇格したのだな。………。わかったのだ。我が輩も協力しよう、麻宮花梨が再びおまえの姿を見ることができるように…」
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