久しぶりに、ユウキ君に会いたいな、なんて思った。何処にいるのだろうと思い、よく父親であるオダマキ博士の手伝いをしてることに気付いて研究所に行ってみると、「ここにはいないよ」と言われてしまった。もしかしたら、今日は普通に家で過ごしているのかもしれない。そう思って家を尋ねてみれば、「さっき家を出ていったわよ」と言われた。えぇい何処にいるんだユウキ君!
とりあえずミシロタウンにはいないということが探し回って判明したので、町を出てみることにしてみた。すると――
ミシロタウンを出た直ぐの草むらに、彼の姿はあった。


「ユウキ君!」

「っ、ナマエ?お前どうしてここにいるんだよ」

「探してたんだよ!」

「探してた?俺に何か用?」

「ぅ、あの、別に用とかがある訳じゃないんだけど…」


用がなくちゃ、会いに来ちゃ行けないんだろうか。っていうか、会いたかったから、っていうのが理由で、彼の言う私の“用”だと思うけど、言ったら絶対バカにされるって分かってるから言わない。それに、そんな理由恥ずかしすぎて、私が言いたくない。私って我が侭だなぁ。
でもユウキ君は、ここで何してるんだろう。様子を見てみると、傍らにはチルット、ミズゴロウ、それにポチエナと小さなポケモンが3匹いた。野生か、それともユウキ君のポケモンなのか。でもユウキ君こんなに可愛いポケモン持っていたっけ?ミズゴロウが最初のパートナーだってことは知ってるけど。


「ねぇユウキ君。君はここで何してるの?」

「遊んでるの」

「誰と?」

「こいつらと」

「その子たち…ユウキ君のポケモンなの…?」

「何だよその目は。俺のポケモンだけど何か悪いですか?」


何で、ユウキ君がチルットと、ポチエナと、ミズゴロウを持ってるの?!いや、べ、別に悪いなんて言いたい訳じゃないけど…ちょっと、ギャップというのだろうか。すっごく意外で可愛いというのだろうか。
とにかく、何処で捕まえたの?って聞いたら、バカを見るような目で、当たり前のように答えられた。ポチエナとチルットは野生を捕まえて、ミズゴロウはパートナーとして旅立つ前にオダマキ博士にもらったあのミズゴロウ(今はラグラージなんだって)の息子らしい。育て屋に預けてみたら、タマゴが見つかったんだって。
でも、遊んであげているなんて、まるで小さな子供の面倒を見る保育士さんみたい。
すると――突然、ポチエナがユウキ君の服を引っ張ってきた。ミズゴロウとチルットも、何故かキラキラとした目でユウキ君を見あげている。それを見たユウキ君というのは、今まで私が見たこともないような、とっても優しそうな顔をして、一言呟いた。


「そっか。他の場所でも行くか」

「え、どうしたの?」

「こいつら、この場所で遊ぶの飽きたんだって。他の場所に散歩でもしに行こうと思うんだけど…ナマエも来る?」

「え」


それは、私にとってどのような誘いだったのか。そんなの知らないけど――
ユウキ君と、のんびりお散歩するのも悪くないなぁって思えて、知らないうちに、頷いていたんだ。
たまにはこういうのもいいよね






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果夜さんから相互記念としていただきました!ほのぼのとした雰囲気がすごく可愛くてすきです!ユウキくん…ああ…わたしポチエナになりたい。
果夜さん、素敵な作品をありがとうございました!今後ともよろしくお願いしますね!



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