個性把握テストが終わり、女子更衣室でジャージから服に着替える。

「あなたの個性、キラキラしててとても綺麗ね」
「え?ありがとう!ただのガラスだけど」


着替えてる途中で蛙っぽい可愛らしい女の子が話しかけて来た。


「私は蛙吹梅雨。梅雨ちゃんと呼んで」


けろけろっと可愛らしく鳴いてくれる。


「私はみょうじなまえ!私もなまえでいいよ、梅雨ちゃん!」
「よろしくね、なまえちゃん」


二人で自己紹介していると周りに女の子たちが集まってくる。


ピンク色の肌をした明るい女の子、芦戸三奈ちゃん。
改めて挨拶した麗日お茶子ちゃん。
耳たぶがイヤフォンジャックになっている耳郎響香ちゃん。
全身透明な葉隠透ちゃん。
そして推薦入学者の八百万百ちゃん。


みんなと仲良くしたいので、下の名前で呼ばせてもらう事にした。


女の子はみんな良い子そうでホッとする。


「なまえちゃんのガラス、汎用性があっていいよね」
「いやー、ガラスで色んなもの作り出せるけど、私のは結局ガラスだから…それを言うなら百ちゃんの個性がすごいよ!」
「わ、私?」

百ちゃんが照れ臭そうにする。

「個性把握テスト見ててすごいなあーって。それぞれに合ったものを即座に作り出して総合1位だもん!すごいよ!」

そ、そんなことありませんわ!と更に照れてしまった。



「あ、もう教室行かないとね!今日はこれで終わりなのかな?」
「急がないと相澤先生に合理性がどうとか言われちゃいそう!」
「いこいこ!」


みんなで女子更衣室を後にする。
教室に戻ると、男子はもう大半戻って来ていた。
自分の席に戻って大人しく座っておく。


ふと、隣の席の轟くんが気になって声を掛ける。


「轟くんすごかったね!氷の個性の使い方、少し参考にさせてもらっちゃった」

轟くんは首を少し傾げた。

「…そうか」
「あ、私はガラスなんだけどね、見た目少し似てるよね」
「お前の個性の使い方はどちらかというと八百万にも似てる気がしたが」

そういう轟くんは、あまり興味が無さそうだ。

「百ちゃんは本物を作り出せるけど私はガラスの形をした偽物しか作り出せないところが難しい!劣化版百ちゃんプラス劣化版轟くんイコール私って感じ!」

轟くんは少し驚いたように目を見開いた。
それからふと微笑む。


「卑下しすぎだ、それは」


たまに見せる轟くんの表情に私はいつも目を奪われてしまう。
ハッとして、あはは、そうだよね!と無理やり取り繕う。

そうこうしてるうちにホームルームが始まって、その日は解散になった。



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