残り時間はとりあえずヒーロー科の人の要望をまとめる時間になった。

「あっあの…爆豪くん…サポートアイテムの件なんですけど…」

興味のなさそうにそっぽ向いたままの爆豪くん。
話しかけても微動だにしない。
自分から話すことがそんなに得意ではない私が勇気を出して第一声を絞り出したというのに、無反応。辛い。

「何か…希望とかってありますか?」

もう一度勇気を出して声をかける。
爆豪くんは瞳だけちらとこちらに寄越した。

「特にねえ。」
「そ、…そうですか…」

それきり会話は続かなかった。
どうしよう、この空気。

というかこの人は本当に私の運命の相手なのだろうか?
ここまで反応がなさ過ぎると自分の個性が疑わしくなってくる。

しかし彼の頭上に浮かぶ文字はもちろん私の名前以外の誰でもなく、今朝確認した自分の頭上の名前ももちろん彼の名前で間違いなかった。


周りを見渡すと、既にペア相手と意気投合してサポートアイテムの構想を練ってる人達が大半だった。

私はこの雄英サポート科では特に優秀ではないので、ここで単位が取れないと恐らく進級できなくなるだろう。泣き出したくなる。




そのままその日の合同授業は何も出来ないまま終わりを告げた。

特別教室から自分の教室に戻る途中、ため息をつく。

これからどうなるんだろう。私はちゃんと彼と話し合ってサポートアイテムを作り上げられるのだろうか。何だか想像がつかない。


「みょうじさん!!何かお悩みのようですね!」


またもや発目さんがドアップでやってきた。
思わずひゃあと声を上げる。
気にしてないようでぐいぐいと私に近付いてくる。

「さっき見てました!爆豪くんと全然話し合っていませんでしたね!」
「…興味なさそうだし話はしてくれないし何考えているか分からなくて…どうしたらいいか分からないんです」
「なるほど!じゃあこれを使ってください!」

発目さんが何かを渡してきた。
ナニコレ。腕時計?

「これは、心拍数によって相手の気持ちが分かるサポートアイテムです!改良の余地ありですが!」

気分が良ければこの画面に丸、不快ならバツがでます!と使い方の説明までしてくる。

「は、はあ…何ですかそのご都合主義しまくりのサポートアイテム。何のために作ったんですか」
「いいんです!使ってみてください!ドッ可愛いベイビーの実験た…使い心地を教えてくださいね!あ、当たり前ですが使うのはみょうじさんじゃなくて爆豪くんですから気をつけてくださいね!」


会話が噛み合ってない上に、実験体とか気をつけてとか物騒な言葉が聞こえたような。


発目さんは「これで会話もサポートアイテムの開発の相談もしやすくなりますよ!では!」とパワーローダー先生の工房へ入って行った。


爆豪くんにこれを着けさせる方が難しいような気もするけど…。
まあ、借りるだけ借りておこう。



04 お悩み解決!…するかなあ?
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