そしてお部屋披露大会…ではなく部屋王を決めるために引き続き男子の部屋を見て周る。

切島くんのお部屋は大漁!とか必勝!とか書かれた熱い物でいっぱいだった。
うん、これも予想通りだ。

次の障子くんは意外で部屋はがらんとしていた。それを見た轟くんがミニマリストだったのかと意外そうに言う。本人曰く昔から物欲がなかったらしい。


そして瀬呂くんの部屋。
アジアンな感じでまとめられた部屋はかなり素敵だった。意外!


次は轟くんの部屋。
女子たちはソワソワしながらその部屋が開くのを待った。
轟くんの部屋…何となく想像がつくなあ…。


「さっさと済ましてくれ。ねみぃ」


ガチャリとドアを開けると、やはりと言うべきか和室になっていた。


「和室だ!」
「作りが違くね!?」
「実家ぎ日本家屋だからよ、フローリングは落ち着かねえ」
「理由はいいわ!入居即リフォームってどうやったんだお前!」
「……がんばった…」


ぶふっ、と吹き出す。
そっかあ、頑張ったのかあ。

くつくつと一人で笑ってると、轟くんが首を傾げながら私を見る。そんなにおかしいか?と言われ、おかしくないよ!良い部屋だね!と返すと微笑まれた。
轟くんのそういう表情を見ると最近胸がざわついてしょうがない。


「じゃ次!男子最後の部屋は…」


男子最後の部屋、砂藤くん。
砂藤くんのお部屋も普通な感じだったが、オーブンやお菓子を作る道具がたくさん置いてあり、甘い良い匂いがした。
聞くとシフォンケーキを焼いたらしく、皆で美味しく頂いた。
ふわっふわで程よい甘さでいくらでもいけそうだった。
皆とろけそうな顔をしてケーキを頬張る。…うまっ!








移動して、次は女子部屋!

まずは響香ちゃんの部屋。
たくさん楽器があってクールな感じの部屋がとても響香ちゃんらしいと思った。
置いてある楽器は一通り弾けるらしく、凄いなあとたくさんの楽器をまじまじと見つめた。


次は透ちゃんの部屋。
女の子らしい白やピンクの可愛いお部屋だった。
大きなぬいぐるみが可愛かったので一回ぎゅうとさせてもらうと透ちゃんの優しい匂いがして安心した。


次は三奈ちゃんの部屋。
柄物が多くて、派手なものが好きな三奈ちゃんらしい部屋だなあと思った。

次はお茶子ちゃん。
実家に来たような安心感のあるお部屋だった。
お煎餅が置いてあったのでお餅やお米好きなお茶子ちゃんらしいなあと笑ってしまった。


「次はなまえちゃんのお部屋だね!」


順番から行くと次は梅雨ちゃんの部屋なんだけど、梅雨ちゃんは気分が優れないらしくお部屋にいるようだ。また今度機会があったらお部屋にお邪魔しよう。


「面白い物はないけど、どうぞ…わあ、なんか恥ずかしいなあ」


ガチャリとドアを開ける。
白と水色を基調としたシンプルな部屋。


「わあ、なまえちゃんらしい部屋やね!あ!これ可愛い!」
「本当だー!ガラスの靴!?可愛いー!」

サイドボードに飾ってあるガラスの靴を、女子たちがキラキラした眼差しで見つめる。


「お父さんとお母さんの形見なのー」


お父さんとお母さんがお付き合いする時に一足渡して告白し、プロポーズの時にもう一足渡したらしい。


「そうだったんだ…でも一足だけなんやねえ」
「あー…昔は二足あったんだけどいつの間にか一足だけになってたんだよね」


どこに行ってしまったのか、それはもう思い出せない。
お母さんに小さい頃聞いたら曖昧に笑っただけだった。


「…あら?この棚、私の家でご贔屓にしてる家具屋と同じ物ですわね」
「え?そうなんだー、お揃いだね!」


「「「え?」」」


皆の声が重なる。


「うん?」
「… みょうじん家って…何してるとこ?」
「うちは代々病院を経営してるよ」
「セレブやないかー」「麗日くんッ!?」

お茶子ちゃんが倒れそうになっていた。
セレブではないと…思うんだけど…。



そして最後に百ちゃんのお部屋。
百ちゃんのお部屋はベッドでいっぱいになってしまってかなり狭くなっていた。
家で使っていた家具を持ってきたらこうなってしまったらしい。
何とも百ちゃんらしくて可愛らしいのでにまにまとにやけてしまった。







「えー皆さん投票はお済みですか!?自分への投票は無しですよ!それでは、爆豪と梅雨ちゃんを除いた第一回部屋王暫定一位の発表です!」


なんとなーく予想できてしまうのは私だけだろうか。
でもソワソワしながら発表を待つ。


「得票数6!圧倒的独走、単独首位を叩き出したその部屋は……砂藤力道!」
「はあーー!!?」


本人が一番驚いていた。


「ちなみに全部女子票。理由は"ケーキ美味しかった"だそうです!」
「部屋は!!?」


美味しかった…また食べたいな…。



72 部屋王
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