「詳しい説明は後だ!敵を…」
私と轟くんの壁を破って、敵がゆっくりと近付いて来る。
「何だあの個性…」
「油断すんなよ」
「けっ!わぁっとるわ!!」
ガキどもが…と敵の一人が言うと、その体を変化させてパワーアップを図る。
如何にも敵!って感じの見た目すぎて笑ってしまう。
轟くんが氷で応戦、私も同じようにガラスを出して戦うが易々と壊していく。
そして敵が振りかぶって来た所を一斉に避けて、爆豪くんが裏に回り背後を爆破する。
しかし全く効いていない敵が、爆豪くんに向かって攻撃をしかけた。
「爆豪ぉ!!!」
咄嗟に切島くんが爆豪くんの前に出て硬化で攻撃を防ぐも、その力で吹っ飛ばされていく。
「避けて!」
ガラスを地面に這わせてずん!と敵を貫こうとするが避けられる。
「危ねぇだろクソガラス女!」
「ごめん!」
そしてまた敵の攻撃が来て、私はかわしながら、邪魔にならないよう二人の攻撃と、敵の隙を見ながらサポートに入る。
「アイツ…空間に穴を開けてるんじゃねえ、抉ってやがる!」
「そういうことか…チッ…キリがねえ、いつまでもテメェに構ってられねーんだよ!」
爆豪くんが必殺技の名前を叫びながらデカイほうの敵に攻撃を仕掛ける。
そして見事ダメージを喰らった敵が倒れていくのを見て、私は敵をガラスでがんじからめに拘束する。
「やろう…!」
それを見たもう一人の敵が爆豪くんに向かって行く。
「爆豪!」
「爆豪くんっ!」
慌てて私が爆豪くんを抱きしめて庇うように攻撃をさける。
「てめェ…!」
「みょうじ!!」
爆豪くんの服の袖が破れただけで、なんとか怪我せずに済んだようだ。
「大丈夫!」
轟くんにそう叫んでニッと笑うと轟くんは少し安心した顔になる。
「ん…なんだこりゃあ」
敵が自分の手のひらを見つめる。
「俺の手の汗だ。ニトロみてえなもんだ」
「っ!」
轟くんがハッとして敵に炎を噴射する。
すると炎に反応して、敵が爆破した。
吹き飛んだ敵を見逃さず、轟くんが氷で敵を固める。
ようやく一息ついたところで、吹き飛ばされた切島くんの元へ皆で走って駆け寄る。
「切島!」
「無事か!」
「怪我してない!?大丈夫?!」
身体が壁に食い込んでいるようで身動きが取れないようだ。
「う、動かねえ!助けてくれ!」
「…アホかお前は個性解けばいいだけだろうが」
「あ…そうか」
「ふふっ…あ、ごめん…」
私が笑ってしまったので、切島くんが少し恥ずかしそうに頭をかいた。
「あー、びっくりしたぁ」
「とりあえず怪我がなくて良かった」
「おお!おめーらもな!」
「けっ…あんがとよ」
「んだよ!らしくねーな!気にすんな!」
「してねーわ!」
「わあ!爆豪くんが!お礼を!言った!!」
「礼くらい言うわ!人を何だと思ってんだバカガラス!!」
酷い。
…いや、酷いのは私もか。
「…緑谷たちを追うぞ!」
「命令すんな!」
私たちはようやく少し遅くなってしまったがみんなの後を追って走り出した。
「轟、みょうじ!詳しく教えてくれ!」
切島くんの問いに答える前に、小さいロボットが大量に現れ、警報を鳴らしながら私たちを取り囲んだ。
「アイツら…本気になったようだな」
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6話