筆記の方の期末テストは、百ちゃんに教えてもらったおかげで数学の苦手な所もしっかり解けたし大丈夫だと思う。


それよりも今日…演習試験!



B組の拳藤さんは対ロボットの実戦演習だと言っていたが…。


「それじゃあ演習試験を始めて行く。」


それにしては、先生たち…多くないか?
何だか嫌な予感がする。


「この試験でももちろん赤点はある。林間合宿行きたきゃみっともねぇヘマはするなよ。諸君なら事前に情報仕入れて何するか薄々分かってると思うが…」


先生の言葉にお気楽上鳴くんと三奈ちゃんがロボ無双!花火!カレー!肝試ー!と盛り上がる。

するとひょこりと相澤先生の首に巻いた布の中から校長先生が出て来る。


「残念!諸事情があって今回から内容を変更しちゃうのさ!」
「校長先生!」「変更って…」


嫌な予感早速的中した!


「これからは対人戦闘・活動を見据えたより実戦に近い教えを重視するのさ!というわけで…諸君らにはこれから二人一組でここにいる教師一人と戦闘を行ってもらう!」


先生たちと闘うって…戦闘経験違いすぎて戦いにならないんじゃあ…。


「尚ペアの組と対戦する教師は既に決定済み。動きの傾向や成績、親密度…諸々を踏まえて独断で組ませてもらったから発表していくぞ」


轟・八百万vs相澤
緑谷・爆豪vsオールマイト
芦戸・上鳴vs校長
青山・麗日vs13号
口田・耳郎vsプレゼントマイク
蛙吹・常闇vsエクトプラズム
瀬呂・峰田vsミッドナイト
葉隠・障子vsスナイプ
砂藤・切島vsセメントス
飯田・尾白vsパワーローダー



「すみません先生…私は?」


まだ発表のない私がおずおずと手を挙げて聞く。


「ああ、みょうじは…」
「俺と一対一だ」
「!」


B組担任の…ブラドキング先生!


「何で私だけ一人なんですか?!」
「このクラスは奇数だし、色々考えた結果こうなった。まあハンデは他よりあるからそこは安心しろ」
「一人とか寂しすぎます!」
「仕方ないだろう」


ううっ…確かに仕方ないか。ガンバロ。







「ここでやるんですか?」
「ああ」

私の試験場はすぐに着いた。
というか、移動すらしていない。

セメントス先生が行く前に作ってくれた2〜30メートル四方の壁に、ブラドキング先生の後ろにエスケープゲートの文字。
いや私の試験会場適当すぎないか!?


「一人だからな。ハンデでこの狭さらしい。」


先生はさらにハンデとして超圧縮おもりを手足に装着する。
そして私の制限時間は狭さ故の短縮で15分。
ハンドカフスを先生に掛けるか、エスケープゲートと書かれた脱出口を出るか。


…簡単じゃないな。


しばらくすると、放送が流れてくる。



《皆位置に着いたねそれじゃあこれから雄英高校1年期末テストを始めるよ!レディィイ…ゴォ!!!》



始まると同時に先生から距離を取る。

ブラドキング先生の個性は"操血"!
ナイフで攻撃すれば逆にこちらが不利になる。


「どうした?来ないのか?こちらから行くぞ!」
「ひっい!」


凄い速さで間合いまで詰められる。
驚きと焦りでいつもの癖のナイフを作り出してしまう。


「ナイフ…愚策だ!」


確かに!
そう思いながらナイフを構える。
とりあえず牽制にはなるだろう。


考えろ、どうする、どうすれば突破できる!?


先生が自らの血を出して攻撃をしてくる。
うそ。そんなことしちゃう!?


そこからしばらく防戦になる。


先生の血液から避け続けるが、これじゃあキリがない。
先生にバレないように…。
わずかな私の一瞬の隙を、先生は見逃さなかった。


「ビー玉、か?」


ニヤと笑われた。


「!!」


先生が血を操り攻撃を繰り出す。
寸前でかわして体制を整える。


「体育祭で見せた技だ。うちの物間には通用したようだがそうはいかないぞ」


見破られてる!
それにこの狭さでビー玉ばら撒いたら自分が走りにくいくなる…。


逃げようにも先生が前を塞いでいて通ることは難しそうだ。


それなら…。
捕まえるしかない。
でも、どうやって?

近付けば先生の操血の攻撃でダメージを受ける。
上手く視線を誘導するしかない。



ハンドカフスをじっと見つめる。


よし!


「何だ?捕まえる気になったか」
「はい!捕まえます!」


先生に向かって走って行く。


そして右手に持ったハンドカフスを先生の左手に向けて振るう。

先生の視線がそちらに集中した!


「なんだ、外したぞ……ッ!?」


カチャン、と左手に持った"本物のハンドカフス"を先生の右手に着ける。


「ガラスでハンドカフスを作ったんです。最初のはガラスの偽物ですよ!ブラドキング先生」


《みょうじなまえ条件達成!》


唖然としていたブラドキング先生はみるみるうちに笑顔になる。


「こりゃやられた!!」
「ふふふ」


先生はハンドカフスを外しながら脱出口へ向かう。
私もその背中を追う。


「動きがまだ硬い。自分の技が通用しない場合をもっと想定するんだな」
「はいっ!」



50 期末テスト!
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