「ハイ私が来たってな感じでやっていくわけだけどもねハイヒーロー基礎学ね!久しぶりだ少年少女!元気か!?」


職場体験を終えて一回目のヒーロー基礎学。
私たちは着替えて運動場γにやってきていた。

「ヌルッと入ったな」「久々なのにな」「パターン尽きたのかしら」

まあ毎回独特な登場するのも大変だしね…。


「職場体験直後ってことで遊びの要素を含めた急所訓練レースだ!」
「救助訓練ならUSJてまやるべきではないのですか!?」
「あすこは災害時の訓練になるからな私はなんて言ったかな?そうレース!」


説明を受けている間、緑谷くんが黄金時代のコスだああと一人感動しているので隣で苦笑する。


「ここは運動場γ!複雑に入り組んだ迷路のような細道が続く密集工業地帯!5人3組と6人1組に分かれて1組ずつ訓練を行う!」


つまりオールマイトが何処かで救難信号を出したら皆一斉スタートして早さを競うようだ。

1組目は緑谷くん、尾白くん、飯田くん、三奈ちゃん、瀬呂くん。


みんなで誰が一位になるか予想する。


クラスでも機動力の高い人たちが集まったようだ。


「うーん、強いて言うなら緑谷さんが若干不利かしら…」
「それはどうかなあ?」


私がニヤと笑う。
百ちゃんは驚いて私を見る。


「緑谷くん、すごい成長してたからね。もしかしたらもあるかなあ」
「なまえさんがそう言うならきっと何かあるのでしょうね…楽しみですわ!」


みんなも各々予想しているようだ。
爆豪くんがデクが最下位とか酷いことを言うので辱めの刑に処してあげた。…もちろん心の中で。



そして、結局一位は瀬呂くんだった。
でも緑谷くんも前とは全く違う動きでみんなを驚かせていた。終盤足を滑らせて落っこちなければ一位だったかもしれない。


ちなみに私は自分の個性向きじゃなかったため最下位だったり…。もっと頑張らねば…。







「前から思ってたけど百ちゃんて胸大きいよねえ」


ヒーロー基礎学が終わり、女子更衣室。

私は隣で着替える百ちゃんのスタイルの良さに釘付けになっていた。


「へっ!?そ、そんなこと…」
「ねえ、どこのブランドのブラ使ってるの!?私も同じの使いたいなあ」
「あ、それ私も聞きたーい!」


みんなでわいわいお胸トーク。


「ちょっと待って!静かにッ!」
「…響香ちゃん?」


響香ちゃんが、しーっとジェスチャーしながら壁に空いた穴を指差す。

「!」

そしてイヤホンジャックを刺す。


『八百万のヤオヨロッパイ!!芦戸の腰つき!!葉隠の浮かぶ下着!!麗日のうららかボディにみょうじのマシュマロボディ!!蛙吹の意外おっぱぁあああああああ』


響香ちゃんのもう片方のイヤフォンジャックが、穴にしゅるりと入って行って、峰田くんの凄まじい悲鳴が聞こえた。


『目から爆音がああああ』


怖い…!!


「ありがと響香ちゃん」
「何て卑劣…!すぐに塞いでしまいましょう!」
「塞ぐ前に私が逆に覗いてやる!!」
「やめなさいなまえちゃん」


自分の身体を上からまじまじと見つめる。


「マシュマロボディ…私って太ってるのかな?」
「え?むしろ細いよ?」
「でもマシュマロって…」
「白くて柔らかそうって意味やないかな?」


お茶子ちゃんが私の手を取る。


「ほら、白くて柔らかい!」
「お茶子ちゃんも…」


お茶子ちゃんがうららかで可愛すぎて直視できない。







「轟くん、大丈夫?…それ凍っちゃってるよ」
「…お、おぉ」

緑谷が心配そうに俺の手元を見る。
飲みかけのスポーツドリンクが、凍っていた。


未だ峰田が穴を覗こうと抵抗している。


何故だか峰田にみょうじのことを言われた時すごく腹が立って…気が付いたら個性を出していたようだ。



48 職場体験を終えて
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