《ステージを渇かして次の対決!!》


ようやく私の出番。
実際にここに立つとちょっと緊張する。
目の前に立っている上鳴くんも同じようだ。


《ここまでガラスの靴で駆け上ってきたシンデレラガール!みょうじなまえ!!》


シンデレラ…!?
初めて言われて思わず照れる。
まあシンデレラって灰かぶり娘っていう意味なんだけど。


《対!スパーキングキリングボーイ!上鳴電気!!》


スタート!!と早速始まった。
さて、彼はどう動くかな。


「体育祭終わったら飯とかどうよ?」
「…え?」
「俺で良けりゃ慰めるよ」
「…」


あ、これやばいやつ。
上鳴くん本気の攻撃してくるつもりだ!


「多分この勝負一瞬で終わっから」


まだ見せたくなかったんだけどこれしかないか。


「透明な部屋(ガラスボックス)!!」


自分自身を四角いガラスで取り囲む。
できるだけ分厚いものを作り出す。


上鳴くんの放電が、ガラスの越しにもバリバリと伝わってくる。すごい威力だ。当たっていたらひとたまりもない。


けど…思った通り…ガラスは絶縁体!電気は通さない!!


私は自分の足元からガラスを出して上鳴くんに向かわせる。
そして彼の足元からガラスが這うように体に巻きつき…ガラスでがんじがらめに拘束する。


…ってあれ??


「うぇい…」


《瞬殺!!》


上鳴くんの様子がおかしくなっていた。
ていうか上鳴くん自分の個性でこんな風になっちゃうの?そういえば響香ちゃんがあいつアホになるとかなんとかって言ってたっけ…。


『上鳴くん動ける?』


「うぇーい…(動けません)」


『みょうじさん二回戦進出!!』


うわあ…何かパッとしないなあ…。







その頃、観覧席では…


「そうか!ガラスは絶縁体!上鳴くんは相性が良くなかったなぁ…それにしてもあんな風にガラスを使うなんてやっぱりみょうじさんのガラスは汎用性高いなあ…!みょうじさんは入試2位の実力者… 普段はナイフとかで攻撃してる所しか見たことなかったけど、相手の身体に巻き付かせて拘束することも出来るなんて…ガラスを好きな形に出来るのは厄介すぎる…強いよなぁ…ガラスで拘束されちゃうと破ろうにも怪我してしまうし破ったとしても得意のガラスのナイフが飛んできたら…」


ブツブツ、と緑谷が呟きながらノートを凄い勢いで書いていく。


「デクくん…すごいね…」
「あっ!麗日さん!いやこれはその…癖で…!」
「終わってすぐなのに先見越して対策考えてるんだ?」
「ああ!!いや!?ていうかコレはほぼ趣味というか…みんなの本気の戦い見れる機会だし…そうそう!他の皆もちょこちょこまとめてるんだ!麗日さんの無重力(ゼログラビティ)も!」


若干引かれてた。



30 奮え!チャレンジャー
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