「13号にイレイザーヘッドですか…先日頂いたカリキュラムではオールマイトがここにいるはずなのですが…」
「やはり先日のはクソ共の仕業だったか」


先日…ってもしかして、警報が鳴った時のアレのこと…!?


「ヴィランンン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」


切島くんが叫ぶ。
その間にも黒いモヤからはゾロゾロと敵が溢れ出て来る。


「先生、侵入者用センサーは!?」
「もちろんありますが…!」
「現れたのはここだけか学校全体か…何にせよセンサーが反応しねぇなら向こうにそういうことが出来る個性がいるってことだな」


轟くんが冷静に周りを見渡す。


「校舎と離れた隔離空間そこに少人数が入る時間割…バカだがアホじゃねぇ。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」


奇襲…。


「13号避難開始!学校に電話試せ!電波系の個性が妨害してる可能性もある。上鳴お前も個性で連絡試せ」
「っス!」
「先生は!?一人で戦うんですか!?」


私たちの前を歩いていく相澤先生に、緑谷くんが驚きつつ問う。


「あの数じゃいくら個性を消すって言っても!!」
「一芸だけじゃヒーローは務まらん」


ゴーグルをして、階段を一気に降りていく。
相澤先生は個性と捕縛布を活用して次々に敵を倒していく。


「すごい…!多対一こそ先生の得意分野だったんだ」
「分析してる場合じゃない!早く避難を!!」


飯田くんの声でみんなが一斉に出入り口へ向かおうとする。



「させませんよ」



ぶわっと黒いモヤが広がり、出入り口前に立ちはだかる。


「初めまして我々は敵連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴オールマイトに生き絶えて頂きたいと思ってのことでして」


…は!?
平和の象徴オールマイトを殺す…!?
オールマイトがやられるとは到底思えないがこんな奇襲を仕掛けて来るということは、殺す算段が整ったということなのかと一瞬で理解して鳥肌が立つ。


爆豪くんと切島くんが、走って黒いモヤに飛び掛かった。
二人の個性が、モヤに直撃する。


「その前に俺たちにやられることは考えてなかったか!?」


しかし黒いモヤはゆらりと動いただけで何のダメージも受けていないように見えた。


「危ない危ない…そう…生徒といえど優秀な金の卵」
「ダメだどきなさい二人とも!」


13号先生が個性を使おうとする間も無く、黒いモヤが生徒たちを取り囲んだ。


「散らして嬲り殺す」


身体に黒いモヤが纏わり付く。


「きゃっ…!?」
「みょうじ!」


すぐ近くにいた轟くんが私の声に気付いて手を伸ばす。
そして私の腕を引っ張り、後ろに下がる。


「とどろき、くん!」


しかしモヤを振り払うことが出来ず…。
黒いモヤに囲まれた。



15 未知との遭遇
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