初戦、Aコンビ"ヒーロー"緑谷くんとお茶子ちゃん。
Bコンビ"敵"爆豪くんと飯田くんだ!

敵チームは先に入ってセッティング、5分後にヒーローチームが潜入してスタートとなる。

そして同じビルの地下、モニタールーム。


「さぁ君たちも考えて見るんだぞ!」


オールマイト先生の声でモニターを見上げる。
緑谷くんとお茶子ちゃんが既に潜入している様子が見えた。

すると角から急に爆豪くんが現れる。


「いきなり奇襲!」


とっさに緑谷くんはお茶子ちゃんを庇いながら避ける。
よく避けられたなあと感心する。

「爆豪ズッケェ!奇襲なんて男らしくねえ!!」
「奇襲も戦略!彼らは今実践の最中なんだぜ」

それからも爆豪くんはお茶子ちゃんを半分無視しつつ緑谷くんを攻撃し続ける。
緑谷くんも負けていない。
攻撃を避けつつ、背負い投げをする。

痛そうだ!とハラハラしながらモニターを見つめる。


何を話しているかは聞こえないが、何だか熱い展開になっていることだけは分かる。


「アイツ何話してんだ?定点カメラで音声ないとわかんねぇな」
「小型無線でコンビと話してるのさ!持ち物はプラス建物の見取り図、そしてこの確保テープ!コレを相手に巻きつけた時点で捕らえた証明となる!!」
「制限時間は15分で核の場所はヒーローに知らされてないんですよね?ヒーロー側が圧倒的に不利ですねこれ」
「相澤くんにも言われたろ?アレだよせーの!」

Puls ultraー!!とみんなで叫ぶ。




そして今一度モニターに集中する。


個性を使わずに爆豪くんと渡り合う緑谷くん。
そして物凄い剣幕でキレてかかっている爆豪くん。


なんだか嫌な予感がして、ぞぞっと鳥肌が立つ。


別のモニターを見るとお茶子ちゃんが飯田くんと接触したようだった。


「爆豪少年ストップだ」


オールマイトの声でハッとして、緑谷くんと爆豪くんの映っているモニターを見る。
爆豪くんが腕の装備を緑谷くんに向けている様子が見えた。

装備の"何か"を外したその瞬間。
爆音と爆風でモニターが見えなくなり…


ぐらりと建物が揺れた。


思わず足元がふらついた私を、後ろにいた轟くんが支えてくれた。


「あ、ありがとう…」


びっくりしてその体制のままお礼を言う。

轟くんは表情も変えずああと短く返事してぱっと手を離した。


再びモニターを見る。


お茶子ちゃんが自身を浮かせて核を回収しようとするが、飯田くんのエンジンで核から引き離される。

緑谷くん、爆豪くんの方はオールマイト先生に「大規模な攻撃は建物の損害を招き愚策だ」と注意され殴り合いになる。

今度は緑谷くんが一方的に殴られて見ていて痛々しい。


二人共何か叫んでいるようだ。


そして、双方が構える。
お互いに向かって走り出す。


「先生!!やばそうだってコレ!!」
「先生!!」


オールマイト先生が双方中止…と言おうとした瞬間、緑谷くんが"上"に向かって個性を使う。
お茶子ちゃんが崩れたビルの瓦礫を、浮かせて軽くした柱で野球のようにフルスイングする。

飯田くんがそれに驚いている隙にお茶子ちゃんが核を回収。



「ヒーローチームウィーーーン!!」



長く感じた第一戦目が終わった。



09 デクvsかっちゃん
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