「始めようか有精卵共!!戦闘訓練のお時間だ!!!」

女の子たちのコスチュームは見たけど、男の子たちのを見るのは初めてだ。おお、みんな格好良い!!


「わ!緑谷くんもしかしてオールマイト風!?いいね!かっこいい!」
「わっみょうじさん!みょうじさんも、その、かっこいいよ!」
「えへへ」


スススッと峰田くんがやって来た。


「ヒーロー科最高」


ぐっと親指を立てる。
私も親指をぐっと立てた。


ようやくみんなが落ち着いて来た頃、飯田くんがガションと音を立ててビシッと手をあげた。


「先生!ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか!?」
「いいや!もう二歩先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!!」


敵対峙は屋外でよく見かけるが、統計的には屋内の方が凶悪敵出現率が高いらしい。

なるほど、それで屋内での戦闘訓練か。先を見据えてるんだなあ。


「君らにはこれから"敵組"と"ヒーロー組"に分かれて二対二の屋内戦を行ってもらう!!ただし今度はぶっ壊せばオッケーなロボじゃないのがミソだ」


うわあみんなの戦闘が見られるなんてワクワクだなあ。


そう思っているとクラスメイトたちがオールマイト先生に質問攻めし始めた。


「勝敗のシステムはどうなります?」「ブッ飛ばしていいんスか」「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか…?」「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか。それからうちのクラスは奇数で一人余ってしまいますがそこはどうなるのでしょうか!?」「このマントヤバくない?」


わあすごい。
遠目からその様子を見ている私ですら頭がこんがらがりそうだ。


「んんん〜〜聖徳太子ィィ!!!」


オールマイト先生はピラっとメモ?を取り出す。
あ、カンペだ…。 


「いいかい!?状況設定は敵がアジトに核兵器を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている!」


設定アメリカンだな!!


「ヒーローは制限時間内に敵を捕まえるか核兵器を回収する事。敵は制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえる事!」


そしてオールマイト先生はすっと箱を持って来た。


「コンビ及び対戦相手は、くじだ!」
「適当なのですか!?」


驚いている飯田くんに、緑谷くんが「プロは他事務所のヒーローと急造チームアップすることが多いしそういう事じゃないかな…」と補足してくれていた。


「そうか…!先を見据えた計らい…失礼致しました!」


ビシッとお辞儀する飯田くん。
飯田くんって見てて飽きないなあと一人で笑ってしまう。


「いいよ!早くやろ!!」



そして、くじを引く。

周りのみんなのくじにはアルファベットが書いてある。

…はずなのに、何故か私のくじには"あたり"と書かれていた。


「あのぅ…オールマイト先生、これは?」


自分が引き当てたくじを見せて聞く。


「Oh!それは当り!このクラスは奇数だからひとチームだけトリオになるんだ!もう一度くじを引いて出たところに入ってもらうよ!」


なるほど、ともう一度くじを引く。


…Iチームだ。


「なまえちゃん!よろしくね」
「透ちゃんと尾白くん!よろしくねー」
「よろしく」


こうしてここからドキドキワクワクの戦闘訓練が始まる!



08 いざ戦闘訓練!
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