「クラサメ先生は、誰のために死ねますか」
「…愚問だな」 「いや、わたし死ぬ理由わかんなくて」
「…それは個人の意見としてか?」 「まぁ、そうっすね」
「隊務のためだ。国のためなら死ねるだろうな」 「へぇ」
「覚悟のないやつは戦場に出てもいい死に方はしない」 「いい死に方?」 「むしろ戦場に出た意味もなくなる」
「それって忘れられちゃうから?」 「違う」
「英雄は名を残す。覚えてなくても心のどこかできっと覚えているものだ」 「そういうもんですかね」
「お前は違う」
「覚悟がないからな」
最初から答えはわかってた。
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