時々感じる。戦闘態勢になってる今となってはわたしが白虎に行こうとしてたことなんてどうでもいいことなんだって。それってきっと、自分の生死に関わっているからなんだろうなあ。候補生なのに、朱雀陣営に参加が必須になってるなんて神様は何がしたいんだか。クラス0じゃなくとも戦闘に参加できるなんて。参加したところで他の候補生の末路は見えているんだが。「てことでさ、こういう休暇ってちょう大事だよね」いつまでもこんな優雅な生活おくってられないんだよねえーと自分の生活について問うわたしは本当におめでたい頭をしてる。自分でいっててあれだけど。わたしの問いには誰が答えてくれよう、目の前で本を読んでいるクラス0ガール、クイーンちゃんだ。

「身体を休めることは大事ですけど、休みすぎなのもどうかと思います。特に貴女の場合は。」
「ぐさっとくるね、その言葉」
「事実を言わないとわからないでしょう、貴女の場合は。」
「事実を言われてもわからないよ。わたしの場合は」
「……」

わたしに対して不快感露わの顔をするクイーンちゃんは、真面目ちゃんだとおもう。以前、ジャックくんと実習に励んだ時の記憶が新しい。ジャックくん曰く委員長と言っていたっけ。なるほど、これが委員長気質の言いくるめか。実際目の当たりにすると、それが尚わかってしまうのだ。「でしょうね。」ため息まじりにわたしに浴びせた言葉は諦めが入っていたような気がする。もはや苦笑いだ。

「…せいぜい死なないように頑張るんですね。あと何日かで作戦開始しますし、貴女が生きているかが怪しいですので。」
「ズバッと言うね。」
「貴女のその呑気さが私にはわからないんですよ。ただでさえ魔法使えないのに」

練習しなくていいんですか?そう言われても困ってしまう。練習して身についてくれればいいけど身につかなかったら悲しくなるじゃんね。そういうのは口に出してはいけないとクイーンちゃんはいう。「魔法使えないんじゃ、無駄死にするだけですよ。」確かに。朱雀っちゃあ魔法だもんね。それは心得てるつもりだった。

「まぁ、しょうがないかな。上が決めたことだから口出しできないしね」
「…そういうのは分かっているんですね、」
「案外、現実みてるって?」
「現実的に死にますけどね貴女」

さっきからクイーンちゃん、死ぬだのしか言ってないような気がする。わたし、そんなに死にそうに見えるのか。顔が思わず引きつってしまったじゃないか。不本意ながら皆が優しいのはわたしが死にそうだからなのかもしれない。「そんなに脆くみえるかなー」ボソリと呟いた言葉は単なる独り言のつもりだったけど、優しいクイーンちゃんはこれに返してくれるのだ。

「貴女は死んだら戻ってこないでしょう」
「ちなみに忘れられちゃうしね」
「…淡白ですね。」
「それね。」

死にたくないのはみんな同じだよー。軽い口調でそれ言えばクイーンちゃんの顔が歪んだ。え、怒った?ものすごく怖い顔してるよ、大丈夫?そんな言葉はクイーンちゃんにはどうでもいい事なのか、怪訝な顔でわたしをみる。「え、こわい」一歩後ずさった。

「貴女みたいなのは、死んでも忘れなさそうですね」
「記憶に残ったら奇跡だよね」

たぶん、クイーンちゃんは皮肉をこめていった。けどわたしには最高の褒め言葉としか聞こえない。それをまた皮肉をこめて返せばまた深いため息するのクイーンちゃん。「…シンクが言ってました。」その言葉に思わず耳を傾けた。え。シンクちゃんが?なんだって?期待はしてないけど、すごく気になる内容なんだけど。まさか、あのシンクちゃんが。

「貴女が戦場にでることになったら、全力で生かしてあげたい方だと」
「えっやっべ、今涙でてきた。」
「私たちの暇つぶしになってくれるのは、貴女だけでしょう?最後までその任務全うしなさい。」

え。なにそれ、喜んでいいの?まさしくアメとムチは使いようだ。まんまと乗せられるわたしもわたしだけど「そこまで楽しんでくれてたのか。」心に響いたことには変わりない。

「じゃあ死ねないね。」
「ええ。」

クラス0たち良いやつだと思うよ。そこまで言われたら死ぬの悲しくなるじゃんね。フラグだったら笑えないけど。



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