演習場っていうものはその名のとおり演習するとこだとおもう。久しぶりに我が友ナギ氏としゃべくり歩いてたら、あのクラス0というジャックくんにたまたま会ってしまったという。ナギ氏が「よう元気か?」なんちって馴れ馴れしく話すもんだから目ん玉飛び出るかと思った。びっくり仰天ですヨ。思わず後ずさってしまった。くっそっしくじったか。ナギ氏より早めに絡んどくべきだった!あ。今さらおそいけども

「演習場で訓練するとこ。くる?」
「いっかねっ」
「相手さがしてんだよね〜。」

しょぼん。彼はどうやら演習相手がいなく一人でここまで来ただとか。軽くうな垂れて子犬のような目でナギ氏を見るじゃないか。やっべっナギ氏さすがすぎる!パチパチパチパチ、心の中で盛大に拍手したわたしちょうやさしくね?思わず感動のあまりに、うっ!と口元に手を当ててなみだ堪えるフリしてしまったっ。よく見てみるとナギ氏はとても困っているのだが目の前にいる子犬のようなクラス0の坊やも困っているから、わたしは2人を応援することにした。「…わりいけど、」だってさっ。ナギ氏も薄情だなあ。まるで逃げるかのようじゃんね。

「えええーだめー?」
「だってお前なんか刀使うともろくそ強えじゃんよ」

他当たれやって突き放すの。まじでナギ氏は薄情者だと思った瞬間だ。そんな薄情者はいやだからわたしは白い目でそんなナギ氏に視線をおくってやった。その視線に気づけば「…えなに」その目っ!だってよ。察することをオススメするよ、と言いたいがきっと言ってもわからないんだろうなあ。まったく鈍感め。息を整えてコホン、と咳払いする。これからいうことは聞けよダンボにしてボソリ。

「…わたしとやろうか。」

その言葉はどうやらナギ氏には強力だったらし「あほか!」というツッコミ待ってました。いいえ、がちだよ。というわたしに彼は絶句だったような気がする。気がするっていうのは、ナギ氏ったらそのまま飽きれて帰っちゃったってのが正しい。勇者だなあ、わたし1人おいていくなんて。苦笑いを浮かべたら、この場の空気はクラス0とわたしだけのものだ。

「え。いいの?つうかあんた誰?」
「ナギ氏の友人です。よろしく。クラス0ボーイ。」
「へえ実践経験あんの?」
「愚問だね。ないよ」
「…なめてんの?」

あるわけないじゃないか、と鼻で笑うんだが子犬のような彼は怪しむ目でわたしを見て来た。「ただ、最近はナインって人と合同練習で学んだよ」大丈夫だとわたしは思っている。そう伝えればまた「へえ」じろじろと観察するように見るのだ。痛い、視線が。だがそれは瞬時にかわる。ニカッ、と目が焼け落ちそうなくらいの笑顔をわたしに浴びせたクラス0ボーイ。つられてわたしもとびきりの笑顔で

「そういうことね。次は俺と学んで見るってことっしょ?なんか良いやつだねあんた。」
「ははは。だろ。」

なんかちがうような気がするのは気のせいだ。わたしちょうやさしいんだぜ、ていうのは事実のことであるからわたしはそれを受け止める。さっきナギ氏、刀使うとやべえよ!ていってたっけな。「…ちなみに、クラス0ボーイ。君つよいの?」確認だ、確認。ニカッ、とまた

「さあ?そんなの俺が決めることじゃなくない?」
「ほほう。謙虚なんだねクラス0ボーイ。いまね、すごく良いやつだと思ったよわたし」
「すべてが終わって最後まで立ってたやつが1番つよいってことでいいんじゃね?」
「なるほど。そういう考えもあるのか」

まさしく、わたしの理想論を解いてくれたのかもしれないクラス0ボーイ。1人彼のいうことに感心する、ふむふむ、「俺ジャックね」あんた名前は?なんつって聞いてくるから彼の言葉に感動したわたしも名乗ってあげることにしよう「フウコだよ」ちなみに魔法つかえませんと付け加える。目を大きく見開かれたんだけど、ぜったいこいつ正気かって思ってるよねジャックくん。

「かわってんねフウコ。」
「だろ」
「うん。俺に付き合うクラス0以外の生徒なんて初めてあった」

そりゃあね、出世のことしか頭にないからなあ。その呟きできっと人間性疑われた「え。なにそれ、こわい」あんま友達いないっしょ?失礼だと思うよそれ。まあ、図星ではあるけどボソリ。





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