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やがて見えてきた学園の敷地は塀が高くそびえ、重そうな門構えで、なんというか……隔離施設かな?

「最近物騒だからな、セキュリティーには厳しい。敷地に入る際は学生証必須だから失くさないように。入学するまでは仮の物を渡しておく」

「はい」

門をくぐると守衛室?みたいな所から優しそうなおじいちゃんが「おかえりなさい」と声をかけてくれた。

「勝(かつ)さん、新入生で今日から入寮の堰です。気にかけてやってください」

「堰です。お世話になります」

「おや、ちゃんと挨拶できて偉いねえ。よろしくお願いしますね」

おじいちゃん、勝さんにお辞儀をして進む。乗堂先輩が言うにはもう1人守衛さんが居るらしい。ただ主に夜勤らしく、あまり会うことはないそうだ。

「ちょっと待っててくれ。自転車を停めてくる」

そう言って先輩は広い駐輪場にしばし消えた。150台ぐらい置けるのかな。春休みだというのにほとんど埋まっている。いや、春休みだから、なのかも。

「待たせたな。そうそう、ここの自転車は全て学園所有の物だ。申請書を出せば誰でも貸出可能だが、通学には不可だからな」

なるほど。






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