11
今年の夏は梅雨が明けてからずっと猛暑が続いている。お盆休み前の今頃は特に、ちょうど一番暑いんだとか。寮の各部屋にはクーラーが設置されているけれど、健助も俺も冷え過ぎるのが嫌で最低限しか下げない上に、しばらくすると切れるようにタイマーをかけることが多かった。
なにが言いたいかって、まとわりつく不快感に今すごく後悔していた。夜ご飯を食べた後、自室でくつろいでいるうちに眠ってしまったらしい。目が覚めたら全身汗だくだった。

「あっつ……」

汗で張り付く体をシーツから引き剥がすようにして起き上がる。このままクーラーで冷やして乾くと確実に臭うと思う。汗、流したいなあ。
まだ外がうっすら明るいけれど何時かな。
いつものお風呂の時間には早そう。長期休暇は学年での入浴時間分けも無くなるし、明日の午後から寮も休みに入る。ぎりぎりまで残っている生徒は少ないだろうと考えて、思い切って入りに行くことにする。早速お風呂セットを持って浴室へと向かった。
健助にも声をかけようかと思ったけれど、部屋が薄暗いから居ないみたいだ。

「静かだな」

浴室は読み通り人の気配がなくて、ほっとしつつ汗を流した。貸し切り状態のまま体を洗って、湯船に浸かる。お風呂は眼鏡もマスクも持っては入れないからいつも気を張っているので、久しぶりにのんびり入れて嬉しい。今なら泳げそう。
ところがしばらくすると急に脱衣所が賑やかになってきたので、一気に頭が冷えた。声を聞くかぎりいつもの時間帯には居ない人たちだ。3人は居る。





prev next

bkm







.
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -