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男子高校生が隠れられるスペースは限られている。よっぽど身体が柔らかいとか小柄な人か、普通はあまり思い付かないような意外な場所に隠れるような人でなければ。1人や2人そういう人が居るかもしれないけれど、始めからそこも視野に入れてしまうと時間がかかり過ぎる。なので目につく所から探していこう。
植木の後ろ、カーテンの裏、ベッドの下。続々と見つかる参加者の中で、普通に悔しがる同級生と比べて先輩たちの反応が不思議だった。なぜかほっとした顔をして「お前か」と呟く。

「見つかったのになぜ先輩たちは安心した様子なんですか?」

探しに来たのが堰で良かった、と感謝までされた時はついに聞いてしまった。隠れていた場所から這い出る様子が少しホラーを感じる彼は確か、2年生の丈二(じょうじ)先輩。

「なんか怖いんだよ寮長の見つけ方。こないだ隙間から“ハーイ、ジョージぃ”って声かけられた時はちびるかと思った」

と、思い出したのか身震いしながら先輩は答えてくれた。ただのかくれんぼなのに、一番最初に見つかった人のように時々悲鳴が聞こえるのは、そういうことだったのか。あんなに爽やかな寮長が、意外だなあ。

「でもそのスリル感がたまんねえんだよ。ホラーゲームか映画の登場人物になった気分になれるぞ」

他の人と違ってがっかりした様子の別の先輩は、わくわくした表情でそんなことを言った。かくれんぼのどきどきとわくわくって、そんなテーマパークのアトラクションみたいな感じだったっけ。





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