体育祭が終わり、期末テストが終わると本格的な夏がやってくる。教室や寮は基本的に冷房完備とはいえ、その設定温度は高めだ。特に先生たちがかなり堪えているみたいで、毎日誰かが口癖のように「昔より暑い」と言って項垂れている。
そんな中健助は相変わらずフードを被っているけれど、通気性が良さそうな生地の半袖に変わったのと、ネッククーラーと扇風機、冷えピタをすごく活用していて意外に快適そうだ。みんなが真似して学内で流行り、学校からネッククーラーとハンディ扇風機が1人1セット支給されたのには驚いた。

「もうすぐ夏休みだね。健助は家帰るの?」

就寝前の時間、部屋で寛ぎながら健助に聞いてみる。入学の時も早く入寮していたから、帰らないだろうなと予想。

「いや、閉寮日以外は残る。侑哉は?」

「俺も一緒かな」

夏休みは部活に所属している人のほとんどが寮に残るので、例年は家に帰る人の方が少ないぐらいらしい。ただ猛暑日が多いことや施設の改修なんかがあって部活の活動日も減るらしく、今年は帰る人は増えるだろうと乗堂寮長が言っていたので、静かな夏休みになりそう。

「侑哉が居ると家より落ち着く」

「本当?嬉しいな、俺も」

家が騒がしいとかそういうわけではないけれど、健助の側はよく眠れるし安心感があって穏やかに過ごせる。せっかく同室だから彼にとっての俺もそうなら嬉しい。

「夏休みなにして遊ぼうか」

「……そうだな、なんでも」

健助ちょっと笑ったな。小学生みたいなこと言ってしまったなと自分でも思ったけど。





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bkm







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