3
「オレまだ友達いなくてさ。堰が1番目な!」

桐嶋が人当たりの良い笑顔を向けてくれる。明るい茶色の髪が似合う明るい奴。俺が初めての友達なんて意外に思ったけれど、昨日ぎりぎりに寮に着いてそのまま寝てしまったらしい。朝もぎりぎりで同室者にまだ会ってもいないとか。よく式に間に合ったな。

「はい注目。そろそろホームルーム始めるぞ」

教卓から声がかかって視線が集まる。そこに立つのはもちろん担任の先生。黒い生え際が目立つ茶髪の前と横をまとめて後ろで結んで、顎にはヒゲ。はっきりした濃い顔だ。
教室が静かになるのを待って、先生が満足げに頷いた。

「改めて、これからお前たちの担任として世話することになる金剛(こんごう)だ。1年間よろしくな」

「世話するって普通自分で言う?」

「ん、今言った奴は世話していらんと」

「お世話になりまーす!」

桐嶋と金剛先生のやり取りに笑いが起こった。

「よろしい。じゃあざっくりこれからのことを説明する。まず今日は1人ずつ自己紹介と、その後各寮で生活説明。明日は健康診断と校内説明、委員や係決め、部活紹介。明後日はオリエンテーションな。すぐテストもあるからそのつもりで」

配られたプリントに目を通す。しばらくは学園に馴染むことを重視した活動になるようだ。
オリエンテーションって何をするんだろう。







prev next

bkm







.
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -