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「ところで今日はどうしたんだい?」

急に何言ってんの?って蕗口の視線と、それを避ける俺に、まだ笑みを堪えながら三坂寮長が問いかける。笑いのツボ浅いのかな、笑い方がすでに全然忍べてない。

「……談話室の使用許可をお願いしたく伺いました」

「うん、構わないよ。申請書類今書いてく?」

寮長、副寮長の部屋は、俺たち一般寮生が2人で使用している部屋の間仕切りを無くした感じで、広い分空いた半分に個性が出やすい。三坂寮長の場合は来客用のテーブルとイスだ。そこへ掛けて書類を書いても良いよ、と提案してくれたようだ。

「では、お言葉に甘えて」

蕗口が頷くと早速三坂寮長が書類を用意してくれる。事前の許可が必要なだけで、この通り談話室の使用は難しいことではない。わざとなのか単に畏まっているのか、それにしては蕗口の言葉遣いが堅すぎる気がするけれど、まさか今のやり取りだけで理解して併せてきたのだとしたら、察しが良すぎるんじゃないか。と、ペンを走らせる彼を見ながら思った。おかげで寮長の口元は緩いままだ。

「君は、礼を言うためについて来たの?」

「半分はそうです。許可を得たかったのは彼と一緒で」

そういえば名乗っていなかったな、とここで気づき慌てて頭を下げた。

「名乗りもせずすみません。藤寮の堰侑哉と言います。改めてありがとうございました」

「堰……堰くん?君が……、ああ、なるほど」






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bkm







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