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普通に照れてしまって流せなかったことを後悔しながら、変な空気をまとったままで俺たちはコテージに帰った。
幸いまだ誰も起きていなかったので、眼帯をしていない方にコンタクトをはめてから備え付けのポットでお湯を沸かし、健助と向かい合ってお茶を飲む。しばらくして蕗口が起きてきた。

「なにしてんの」

「おはよ。お茶飲んでるけど、蕗口も飲む?」

「……ん」

また寝ぼけているんだろうなあ。ぼーっとした様子でふらふら歩いてくるから手を貸そうかと立ち上がったけれど、先に健助が腕を伸ばして蕗口を自分の方へ弱目に引っ張った。腕が長い。感心しつつ蕗口の分のお茶を入れて、健助の隣に座った彼の前へ置く。

「熱いから気をつけて」

忠告したものの、聞こえていないのか寝起きで喉が乾いていたらしい蕗口はすぐに口をつけてごくごくと喉を鳴らした。健助と逆で熱いの平気な人なんだな、と思っていたら無言でべろりと舌が出てきた。熱かったらしい。

「喉大丈夫?」

「焼けたかも」

舌が戻るといつものように口元がゆるく弧を描く。今のですっかり目が覚めたようだ。
その後は特に会話もなくゆったりお茶をすすっていたので、30分ほどして起きてきた西岡に「隠居したじーさんの集いかよ」と謎のつっこみをもらった。





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