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「改まって聞くことそれ〜?目覚まして外してたぞ。ちゃんと宗谷くんが帰ってから」

「記憶に無い……」

「しっかりしてると言うか何と言うか」

今度は太朗くんが苦笑して、それから深いため息をついて俺の頭を両腕で抱きしめた。後頭部をわしわしと撫でられながら息苦しさにうめく。

「太朗くん、苦しい」

「ん、ごめん。なんかじわじわ安心してきた。あー、ゆうだ」

大袈裟だなあ。と思いつつ素直に嬉しくてされるがままになっている。緩められた太朗くんの腕から、肩と首の間で呼吸のスペースだけ確保しておいた。朝風呂派だった昔から変わっていないようで、石鹸の香りがしてくる。鼻が首筋に当たるとくすぐったいのかごまかしで頭をぐりぐりと押しつけられた。

「仕事大丈夫なの?」

「あんまり時間無いけど昨日ちゃんと話せなかったし、今までの反動でこのまま行くとゆうロスになる」

「なにそれ」

疲れてるのかなあと、お疲れさまと頑張れの気持ちで頭を撫で返す。反対に太朗くんの手は力が抜けて俺の頭から落ちていく。

「ゆう」

「うん?」

「卒業したら、俺と一緒に暮らさない?」

脈略のない、思いもよらない言葉に顔を上げると至近距離で目が合った。いつの間にか足で囲うように体を挟まれていて、下りていた手が背中を撫でるように肩、首、耳と上がってくる。






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