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食事の後の片付けをしながら次の予定を思い出す。確かアスレチックだったかな。施設内に遊具が設置されているそうだけど、汗を流したイラストと一緒に「本格的!」としおりに書いてあったので、学校のそれにもはしゃいでいた桐嶋のテンションが心配だ。

「早く遊びて〜!かご返してくる!」

と思ったそばから、待ちきれず体を動かしたいらしい桐嶋が、洗い終わった食器類のかごを小走りで返却しに行った。全力疾走でないところに食器への配慮を感じる。
さてじゃあ俺は調理器具のかごを持って行こうかな。と手を伸ばすけれど、目の前で健助が先に引き寄せた。

「一緒に持つよ」

「いや、侑哉はそれを」

それ、とは具材の入っていた空っぽのかごのことか。じゃあ片手で持って反対の手で手伝おう。と思っている間に健助は歩き出してしまった。慌てて追いかけて「持ち手片方持つ」と食い下がってはみたものの、心なしか逆に遠ざかるかご。

「…………筋トレついでだから」

なんだろうこの微妙な間。でも毎日筋トレを欠かさない彼が言うならと納得してしまう。

「じゃあ任せようかな」

多少重い方がトレーニングになるのかもしれないし、邪魔しては悪い気さえするけれど、念のため片手はフリーの状態で横を歩いていく。

「筋トレと言えば次アスレチックだね」

「ああ、そうらしいな」

思いのほか反応が鈍い。ああいうのはあんまり興味がないんだろうか。





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