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「そうだね、何人か誘ってなら」

「良いよそれでも」

条件を付けたけれど嫌な顔をせず、相変わらずにこにこ微笑んでいる蕗口に少し良心が痛むけれど、「気をつけろ」と色んな人に言われているのでこれで良い。本当に行くのなら健助か桐嶋を誘おうと思う。

「宗弥呼ぶ?」

「え、知ってるの?」

「俺2組だし。確かアイツ、アンタと同室でしょ?」

「うん」

誰と誰が同室かなんてあまり気にしないし、気にしたとしてもこの早い段階で把握してるなんて珍しい。健助と仲良いのかと思って聞いてみたけれど、そういうわけでもないらしい。

「アンタのこと調べたから」

「……へぇ……」

「うそうそ」

気持ち窓側に寄ると、蕗口は訂正してその分だけ詰めて来た。逃げ場がない。そういえば席を替わることになった原因の腹は大丈夫なんだろうか。一度もトイレに立っていないけど。

「トイレ大丈夫?」

「え?ああ、うん。心配してくれるなら手握っててよ」

「大丈夫そうだな」

こんな調子で移動時間を過ごし、気がついたらキャンプ地に着いていた。バスから降りても部屋や行動グループが一緒なので蕗口は付いてくる。

「堰〜!」

一旦荷物を置きに宿泊施設へ行くと、別のバスに乗っていた健助たちが既に居て桐嶋が手を振ってくれた。






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