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「えーっと…?」
天馬が私を不思議そうに見つめる。
アニメで見てるよりも可愛い彼は私を見つめて話しかけた。
「…あ、あの…そんなに見られると恥ずかしいんだけど。」
というかにやけるからうん、軽く半径5m以上は離れた方がいいよ。
「君は…?」
「…人の話聞け。」
深いため息をつく。
それでちらっとフェイくんを見ると、ヤバい、フェイくんは天馬よりも私の名前に興味しんしんだ!
「…名字名前です。」
「名前かぁ、俺、松風天馬!!」
名 前 呼 び だ と !?
「名字じゃないのかよおおおおおっ!!!名前呼びとかマジ反則なんですけどおおおおおっ!!!!天馬に名前呼びとか!!!…はっ!?」
…ヤバい、いつものクセが出てしまった。
私は萌を与えられると大声で発叫するクセがある。
でもまさかそんな大声でしかも本人の前でとか…!!!
「ご、ごめんいきなり…。」
天馬とフェイくんはポカンとこちらを見ている。
これ絶対ドン引きされたよ、うわー死にたい。
しかしフェイくんはいきなり笑い出し、天馬も同様に笑った。
「そんなに名前呼びが慣れてないの?」
「ち、違うよ。天馬とか絶対私のこと名字ーって呼ぶと思ったんだよ。そしたらまさかの名前で…。」
「じゃあ名字って呼ぼうか?」
「このままでお願いします。」
キリッって感じに言うと、またフェイくんが笑った。
「名前ってなんか面白いね!!話しててほんと面白いもん!!」
「ちょっと、さっきから笑いすぎ!!!」
「あ、僕はフェイ・ルーン。よろしく!!」
そんなこんなで、私は天馬とフェイくんから一体何があってこうなったのか、事情を説明することになった。
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