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サッカー棟に入り、中のグラウンドでサッカーボールを置く天馬。

さすがサッカー馬鹿、やる前から楽しそうっすね。


「さて、チーム分けよっか。俺と狩屋と名前、剣城と信助と影山で行こうか!!」

「ちょっと待て意義あり!!!何で剣城と一緒じゃないの!?ひどい!!」

「仕方ないよ!!俺だって剣城と一緒がいいよ!!」

「俺で喧嘩するな!!」


はあ…とため息。
そうだよね…人生そんな簡単にいかないもんだよね…はは。


「じゃあさ、ちょっと名前ちゃん。軽くボール蹴ってみてよ。」

「えええできないよ私!!」

「大丈夫!!俺たちもカバーするから、ね!!」


そういう問題じゃねえよ!!このサッカー馬鹿!!

うう…しょうがない、うだうだ考えても時間がもったいない。
目の前にサッカーボールを静かに置いて息を整える。


「おりゃあああ!!!」


…スカッ


「ぎゃああああああ!!!」


痛っ!!
みごとにスカして、お尻から転んだ。
ドジっ子だなぁ私☆←


「大丈夫名前!?」

「…強いて言えば、精神的にアウトかな(´・ω・`)」

「あ、ああ…。」


天馬が心配して駆けつけたけど、ゴメン、今は放っておいて欲しいな…。


「力みすぎるから、そうなっちゃうんですよ。もっと落ち着いて、楽にやりましょう。」

「…なんか影山が言えばすごく納得できるね。」

「まあ、こう見えても初心者ですし。その気持ちもわかります。」


影山…ほんとありがと、あなたはやさしいのね、涙出るわ…←

その気持ち、しかと承った!!
大きく深呼吸して、落ち着かせる。


「よし、もう一回やる!!」

「今度こそボール蹴ってね、名前ちゃん。」

「うっ、うん頑張る!!」


まずは天馬にパスだ。
軽く、渡すように…ボールを蹴る!!

「天馬!!…ってあれええ!?」

ボールは、変な方向に転がってしまったが、天馬が走ってボールを蹴りあげる。


「全く、どこ狙ってんだよ。」

「初めてなんだから、できるわけないっての!!」


天馬が前に進んでいると、剣城が遮ってボールを奪取する。


「そう簡単にゴールはさせないよ!!剣城くん、こっちにパス!!」

「さ、させないよ!?」


あわてて影山の前に走ってパスを防ぐ。
DF関係はバスケである程度できるんですよ!!

天馬に剣城、狩屋に信助をつかせて、パスをするタイミングを見計らう。


「そこだ!!」

「なっ…!?」


狩屋が隙を見て、剣城からボールを奪い前に出る。

さすが狩屋、こういうのは得意なんだなー…。


「名前ちゃん!!」

「はい!?何でしょうか!!」

「何でしょうかじゃなくて、パス!!」

「あ、えっ!?」


私にも取れるやさしいパスをもらい、ゴールを見る。

私なんかがやっていいのかな…。

ええい、考えてるよりも動いた方が早い!!


「どっせえええい!!!」


ボールは相変わらず変な方向に飛んだけど、何とかゴールに入ってくれた。
安心してか、ホッとため息。良かった…。


「名前ちゃんすごい!!ゴールできたね!!」

「葵ちゃんありがとう!!」


喜んでくれた葵にブイサイン、そして他の人達にも笑ってブイサインを見せた。


「よし、名前もシュートしてくれたし、俺達も負けてらんないよ!!」

「そうだよ!!僕たちだって点取り返すよ!!」

天馬や信助もはりきり、狩屋や影山、そして剣城も面白そうだという表情で、葵ちゃんはにこやかに見守っている。

ここで初めて、サッカーって楽しいんだなっていうことを知った。





























「よくもまあ私達の邪魔をしてくれましたね。だけど…」

「これでお遊びは終わりだ!!!」

今の一部始終を見て、怒りを表すのは、中学生程の女の子。

後ろに10人の者を引き連れ、彼らは消えた。






「頼んだぞ、ベータ。」






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