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「名前ちゃーん!!一緒にご飯食べよう!!」

「あ、うん!!今行くからちょっと待って!!」


4時間目が終わって、わざわざ迎えに来てくれたのは葵ちゃん。

わざわざありがとうございます…!!


お弁当袋を持って、葵ちゃんの後に付いていく。
なんか…私主人の後ろを付いていく犬みたいだ。
みっともないぜチクショー!!


葵ちゃんが連れて来た場所は、1年C組。
見覚えのあるメンツが机を並べて食べている。

…隊長、緊急事態発生です。
私の愛しの剣城くんがいません!!

なんだよ一年生組で仲良くご飯じゃないのかよおおおおお!!!(泣)


天馬と信助と狩屋が、そこにいた。
剣城と影山は…いない。

なんだってんだこのやろおおおお!!!


剣城がいないことで落ち込んでると察した葵ちゃんは、少々笑いながらもドンマイと声をかけた。



話を聞くと、普段は剣城と影山もご飯を一緒に食べるらしいんだけど、今日はたまたまいないということらしい。

明日は剣城がいるのね!!!
やったね!!!


とまあ一人心の中で舞い上がる私を余所に、天馬がパンを頬張りながら聞いて来た。

「ん!!そういえばさ、名前ってどこの人なの?」

「えっ?どこって…具体的にどういう?」

「んー…。住んでた場所とか、時代とか!!」

「えっ!?名前って生きてた時代違うの!?」

信助が驚いて思わずパンの欠片を少し落とした。

あーそっか。信助とか狩屋はちゃんと言ってなかったのね。


実は異世界の人間だということは言っていたけど、別の時代の人間だということは天馬とフェイくんと葵ちゃんにしかしゃべっていない。

故に二人とも驚きを隠せないのだ。


「うーんとね、私の元いたとこは2012年なんだ。今って…20…70年?だから…今から約60年前の時代か。」

「60年前!?すごーい!!じゃあ今70歳の名前がいるかもしれないんだね!!」

「さすがにそこまで生きてないだろ…。」

「狩屋おまっ…!!意外と生きてるかもしれないじゃん!!」


ひどい言われようだ…。
日本人の寿命は平均80歳って言われてるんだから、せめて70歳までは生きてるって考えろよ!!!


「あー、そういえば私誰だかに渡されて今プロフ持ってるんだけど、それ見た方が分かりやすいと思うよ。」

「プロフ?」

「見たい見たい!!」


葵ちゃんはすかさず私に近寄り、ポケットから取り出したプロフをまじまじと見た。

それにつられて天馬や信助も見始める。
…一応狩屋も。

高校生になれば、大体ケータイを持ち始める。
そんな環境で育った私だから、プロフを書くなんてのは、中学生か小学生ってイメージがあった。

だから今の時点でケータイを持っているこの世界の人達はプロフ渡さないだろうと思ってた。
が、意外にもプロフを書いて、とお願いする中学生がいたため、驚きを隠せない。

プロフって住所知るためのモノじゃないんだね。へぇー。


「あー、やっぱりゴキブリダメなんだ。」

「えっ、雷も苦手なの?」

「なんか意外ー。」


次々とプロフを読み進め、すごーいだの意外ーだのいろいろ言われてる。


「こういうのあんまり書かないから、ここに来てまさか書くとは思わなかったよ。」

「まあ高校生だから、プロフ書かないのも当たり前だよねー。」


葵ちゃんは笑いながらハイ、とプロフを渡す。

そういえば、みんなに私の知られるって…ちょっと嬉しいかも、と思わずニヤニヤしかける。

…頑張って耐える。←



ご飯を食べ終え、少し談笑してるところに愛しの剣城と影山がサッカーボールを持って教室にやって来た。

おはよおおおおお剣城いいいいい!!!!←


「剣城!!!!」

「剣城くんだけじゃなくて僕もいます…。」

「ゴメン、ついつい…。」


剣城は天馬の元に行き、腕を掴んだ。
その行動に察した天馬はニコッと笑い、私の方を見た。


「ねぇ名前、今からサッカーやりに行かない?」

「えっ、今?」


私運動神経はある方だと自負してるけど、サッカーだけはやったことがないからできない。

でも、せっかくの機会だし…と思って

「行く!!」


他の人にも声をかけて、サッカー部一年生全員で教室を出て、サッカー棟へ向かった。






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