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「ずいぶんと遅かったじゃない。」

「あ、音無先生!!おはようございます!!」


急いで走ったけど、ギリギリ遅れて来た朝練の時間。

待っていたのは少しお怒りなご様子の音無先生だった。

失礼ながら、静かに怒る様子は鬼道さんにそっくりだなぁと思ってしまった。


「はい、実は名前のことで少し…。」

「名前ちゃん?天馬くんには関係ないじゃないの。」

「いや、名前が元の世界に帰れるように情報を集めなきゃいけないってフェイに頼まれたんです。」

「フェイくんに?」

「はい!!」


そう言うと、音無先生は仕方ないわねとため息混じりに笑って了承してくれた。

「ところで、どんなことを調べるの?」

「フェイは過去とか住所とか元の世界の時代が必ず必要だって言ってたんですけど、名前にはバレちゃまずいのかなって感じで…。」

「なるほどね…。たしかに、名前ちゃんのことは全く知らないわ。」

「とりあえず、頑張って調べてみます!!名前を早く帰してあげたいですし!!」

「そうね。それよりも、朝練急がなくていいの?」

「…あああっ!!!!そうだった!!急がなきゃ!!!」


名前のことを話してる場合じゃない、早く朝練の準備しなくちゃ!!

俺は走ってロッカールームに向かい、朝練に途中参加した。

当たり前だけど神童先輩に怒られ、剣城にも呆れられた。

な、なんとかなってくれなかったよ…。







「きゃああああああああああ!!!!!!!!!!」

「な、何…!?」


朝練終わりの倉庫の中です、もうなんかもうなんかぱパPAパニクってるなうううううう!!!!!!!!
◎■×▽#●☆◆!!!!!!←


「く、黒、のむ、むし、虫いいいいい!!!!!!!」


「虫ぃ?どれ?」

水鳥ちゃんがヒョコッと顔を出して見る。

み、見ない方がいい気が…!!!!!!


「あー、ゴキb「あああああそれ以上言わないでマジ無理マジ無理!!!!!!」」

「…もしかして苦手なの?」

「ダメダメもう苦手とかそういうレベルじゃないマジやめてください勘弁してください!!!」

私のG(ゴで始まってリで終わる虫のこと)嫌いは尋常じゃないよもう頭回らなくなるもんヤバいよ!!

とりあえずそのGさんをなんとかしてくださいほんともう私耐えられない!!!

「名前、こういうのはさっさと潰すのが一番ぜよ!!」


水鳥ちゃんがGを見たのを受けて、錦先輩が立ち上がる。

潰すとかい、いやああああああ!!!


「よっ!!」パアン!!

「ぎゃああああああああああっ!!!!!!!!!!!!」


無理無理無理ィ!!!!

潰すとかほんとありえない!!

生理的に無理な私はその場から逃げてミーティングルームの隅っこでうずくまる。

後ろから錦先輩を叱る水鳥ちゃんの声が聞こえたけどそれすら気に止めなかった。

っていうか何なのあのでっかいG!!!マジほんとありえない!!!
気持ち悪ッ!!!キモッ!!!


そんな気持ち悪がっている私をよそに、どっかの誰かさんは殺されたGを哀れみながら必死にメモを取っていた。

ふざけるなよこのコロネ野郎…!!!
少しは私の気持ちをわかってくれよもう!!!






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