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「行ってきます!!」

「行ってらっしゃい名前ちゃん。」

「相変わらず早いよもう!!」


朝、学校へ行くべく準備を進めた。

最近名前は俺よりも早く起きてダッシュで登校する。

聞いてみれば、前からの習慣の一つだったらしい。

「あっ、待って天馬!!」

ピタッと止まり、その場で走る。

何か忘れたかなと思ったら、声の主は秋姉ではなくフェイだった。

「おはようフェイ!!悪いけど、俺今日朝練で急いで…。」

「いや、こっちもちょっと大事なんだ。名前ちゃんに関してなんだけど…。」

「名前に関して…?」


もしかして、名前が元の世界に帰れる方法がわかったのかな?

心配だし気になるから朝練に行きたい気持ちを抑えてフェイの用事を優先した。







「天馬にお願いがあるんだ。」

「俺に…?一体何?」

フェイは右腕を自分の前に出してスマホみたいに指を動かす。

すると、ある画像が浮かび上がる。

それはここに来た時の服を着ている名前の姿だった。

「今の段階で名前ちゃんは名前と性別、異世界から来た高校1年生っていう情報しかないんだ。」

「まあ…特に何か調べたわけじゃないしね。」

「そこでお願いがあるんだ。名前ちゃんの情報を集めてくれる?もしかすると名前ちゃんが元の世界に帰れる方法がわかるかもしれない。」

「名前の情報って言ったって…例えばどんな?」

「本当に何でもいいよ。まあ一番欲しい情報は名前ちゃんの過去や住んでいた場所、そして本来いるべきである時代。この三つは必ず必要かな。」


そこで、俺はふと疑問に感じた。

何かって、それは…。


「フェイは名前に直接聞かないの?」

俺がそう聞くと、フェイはまあね…。と少し残念そうに笑い、ごまかす。

多分聞きづらいとか直接聞いたら効果が無いとかそういう理由だろう。


「とりあえず、俺情報集めてみるよ!!」

「よろしく、天馬。」


かばんを握りしめて玄関へ行く。

朝練には遅れちゃうけど、いつサッカーが無くなるかわからない今、少しでもサッカーをしておきたい。


「行ってきまーす!!」

「行ってらっしゃい。気をつけてね。」

「天馬、頼んだよ。」

「うん!!」


元気よく走り、学校へ向かう。


「…そういえば、こっち来てからプロトコルオメガの襲来が来ないな…。」


とちょっとアルファを思い出した。

けど、今は今。
朝練に出るためにさっきよりも足を早めた。






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