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葵ちゃんとのデートはまだ続いた。

ゲーセンでクレーンゲームやったり、プリクラ撮ったり、クレープ食べあったり。


秋ちゃんからもらったお金は、あっという間にすっからかんに無くなってしまった。

と同時に時間もそろそろ無くなって来た。


「ねぇ、最後にカフェ行かない?」

「え、カフェ?いいよ。」


中学生でカフェなんて…
大人すぎます葵姉さん!!←

カフェに入って残り少ないお金でココアとカフェラテ(もちろん私がココアで葵ちゃんがカフェラテ)を注文する。

しばらくして、頼んだものが運ばれて来た。

二人でゆっくり一口飲み合う。

葵ちゃんがコーヒーカップを置いて私を見た。

何だろ、と思って見てると、柔らかく微笑んで口を開いた。


「名前ちゃんって、剣城くんのこと好きなの?」

「えっ!?あ、え、えーと…。」

ビビったー、女の子の会話って必ず恋愛話があるんだね、忘れてたよ!!


言おうかどうか迷ったけど、重たい口を動かした。


「…うん、好きだよ。」

「だよね。剣城くんと話してる名前ちゃん嬉しそうだもん。」

「でもね、剣城と付き合いたいとかそういう感情はないの。」

「え、そうなの?」

「剣城のことは好きだよ。きっとそれはloveだと思うし、ドキドキしたりする。だけど、それは恋してるっていうよりも…好きな芸能人に対する愛情って感じかな。一緒にいることも嬉しいけど、私は隣にいるべき人じゃないから。」

「そうなんだ…。」


そう、所詮剣城に限らずこの世界の登場人物は全員私が隣にいていいような人達ではない。

そもそも私は異なる世界の人だから、本当はしゃべることすら許されない。

最近「二次元の扉はないんですか」と言った記憶がある。
今なら取り消したいと思えるようになったし、取り消し可能ならしたいものだ。

現に今も葵ちゃんとデートして、恋愛話することだって私ごときがしてはいけないんだ。


「名前ちゃん、結構考える人なのね。」

「そうかな…?」

「いいな。ちゃんと考えられるなんて。さすがは高校生、憧れちゃうな。」

「いえいえそんな滅相もない!!」

「私なんか、なーんにも考えなくて嫌になっちゃう。」

「葵ちゃんは好きな人いないの?」

「え?私?そうだなー、強いて言うなら…。」


とガールズトークをしているところに、一瞬見覚えのあるコロネが見えた気がした。

さては…と思って葵ちゃんの好きな人は気になるけど、今はこっちが重要だ。


私は葵ちゃんに耳打ちをしてまた話を再開した。






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