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部活終了後、葵ちゃんとやって来たのはご存知の通り稲妻商店街…というよりは。


「デパート…?」

「うーん、まあそういうことかな?こっちは専門店街って感じなの。」


知らんかったよ私…。
稲妻町って何もないんだなとか思ってたけど、案外こういうのもあるんですね!!


「じゃあ行こうか!!」

「う、うん!」


葵に言われるがままについて行くと、まず来たのはファンシーなお店。

大量のぬいぐるみに囲まれております何コレ


「あ、コレコレ!!見てよ名前ちゃん!!」


葵ちゃんが発見したのは猫のでっかいぬいぐるみ。

憎たらしい目つきの悪さとボサボサの毛並みはどこかの誰かを思い出すけどきっと気のせい。

よく見れば、葵ちゃんが持っているぬいぐるみ以外にも眼鏡かけたやつとかゴーグル付けたやつとか等々誰かさんに似たようなぬいぐるみがいっぱいあるのに気づいた。

そして近くにある商品紹介する札を見ると、でかでかと「優勝祝い!雷門中サッカー部×〇〇〇」と雷門中サッカー部とぬいぐるみ会社のコラボをしていた。
やっぱりか。


ちなみに葵ちゃんが持ってるのは狩屋似のぬいぐるみ。

ほんとお前憎たらしいな。


ついでだから私も小さいバージョンの剣城似のぬいぐるみを買うことにした。

葵ちゃんは私にコレを見せたかったらしい。

あ、ありがとう…!!
葵ちゃんめっちゃいい子や…!!


「あ、ねぇもしかして名前ちゃんお金あんまり持ってないでしょ?」

「う、あ、えーと…あるにはあるんだけど、今使っちゃうと今月分のお金がなくなっちゃうかもって…。」

「そういうことね、なるほど。それならちょっとあそこ行こっか。」


そう言って葵ちゃんが指差したのは、洋服店。

ほら早く!!と急かす葵ちゃんは私の手を掴んで引っ張った。


こんな女の子と楽しくデートできるなんていつぶりだろうか。

某アニメグッズ専門店に行った時よりも楽しい。

笑って店に向かう葵ちゃんにつられて、私も自然に笑顔がこぼれた。





「まさか今日がデートだったなんて…!!」

「女の子同士でデート?」

「っていうか絶対天馬の勘違いだよ。」

「まさか!!だって本当に葵が名前に告白してたんだもん、怪しいよ!!」


剣城からあの二人が今日デートするって聞いたから今信助とフェイを(強制的に)連れて来て付けて様子を見ている。

今のところ仲良くリア充してるようにしか見えない。


「葵…!!どうしてあんな変人に…!?」

「だから天馬の勘違いだよ絶対!!」

「面白そうだからいいじゃん、信助くん。」

「いいのかな…?」


信助は不安げにそれでも付けることを止めずに俺達は二人の様子をじっと見つめた。






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