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早速ヒロトに数学を教えてもらうことになった。
「まあ、とりあえず簡単なやつから行こうか。」
「コレ?」
「…いや、コレ。」
「それ?わかった。」
最初は簡単な問題から。
っていうかこの問題集の簡単な問題って余裕で解けるからやったことないんだよな…。
「こんなもんか。どう、ヒロト?」
「早いね。うん、全部合ってるよ。」
「じゃあ次コレ!!」
ヒロトに褒められたーっ!!!
嬉しいわほんとえへへ←
「はい、コレはどう?」
「…解くスピード早くない?」
「ん?だって比較的簡単だし。」
「合ってるよ。じゃあ次はコレをやってみようか。」
次の問題をやろうとすると、天馬と信助がすごーいとプチ感動していた。
そ、そんなことないですよお二方様…。
「名前やっぱり頭いいね!!すごいよ!!」
「本当は学校の成績も悪くないんじゃないの!?」
「いや、ほんと悪いんだって!!今は簡単だからできるだけで、これから難しくなるんだよ!!」
天馬達の勢いには歯が立たないので、問題を解くのに集中した。
集中、集中…。
「名前ちゃん、やっぱり解くスピード早いよ。」
「まあ今は簡単だからさ。あ、じゃあちょっと、コレわからないからコレ解いていい?」
「…ソレ難しくない?」
「ん?そうでもないらしいよ。」
とりあえず私がいつも解けない問題を解いてみる。
けど、やっぱり無理で途中で止まる。
「ね、ヒロト。ここからどうすればいい?」
「えーと…って、もう解けてるようなもんじゃんちょっと。」
「どうしても答えに辿り着けなくて…。」
「ただ単にここをまとめればいい話だよ。ほら。」
「あ、ああ。そういうことか。」
なんだ、私のケアレスミスで解けなかったのか。
スッキリしたー!!
「悪いけど名前ちゃん。この問題集、かなり難しい問題集だよ?よくこのページ全部解けるね。」
「それ、教科書会社で一番難しいっては聞いてたけど私はもっと難しくてもいいかなって思ってるんだ。」
「…天馬君達の言う通り、名前ちゃん頭いいよね。」
「まさかそんなことあるわけないよ!!頭悪いし私!!」
ヒロトや天馬、信助にいろいろ言われ、全否定する私に狩屋が一言。
「じゃあ名前さんの成績ってどんなもんなの?」
「う…。」
チラッとバッグを見る。
実はこれまたたまたま成績表がバッグの中に入っていまして…。
不本意だったけど、バッグから成績表を出して見せた。
「…えええええ!?!?」
「ね?成績悪いでしょ?」
「ぜ、全教科90点以上じゃん…。」
狩屋ですら驚いていて、ヒロトもビックリしていた。
天馬、信助、葵も何度も見直していた。
「それはそうでも、91点とかあるし…。」
「91点で低いって思ってるの!?ありえない!!」
天馬…私にとってはありえるんだ、わかってくれ…!!
「じゃあ名前ちゃんの低い点数の基準って…?」
ヒロトが恐る恐る聞いて来た。
そんなのもちろん…
「94点以下!!だから今回も全部98点以上なんだ、へへっ!!」
陰で狩屋がボソッと「頭おかしいんじゃねぇの」と言ってたのを聞き、何故?と不思議に思い、はてなマークが頭の上に浮かんだ。
これが普通なんじゃないの?
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※普通じゃありません。
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