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「うえぇ剣城い…わかんないよぉ…。」

「少しは自分で考えろ。」

泣きつく天馬と冷たく接する剣城。

開始5分でこの始末だとは…さすが天馬だ。


「…チッ、仕方ないな。いいか、これは三人称単数で…。」


剣城が天馬に教え、それでもわからないと言うので始まったばかりだがいい加減痺れを切らして来ていた。

どれだけ勉強の要領悪いんですか天馬さん。


「ねぇねぇ名前、ちょっと教えてほしいんだけどさ、来て来てー。」

「どうした浜野ー。」


呑気に浜野が私を呼んだんで来てみると、2年生トリオが一緒になって数学の勉強をしていた。

「あー、今一次関数やってんだー。いいなー。」

「そういうことで呼んだんじゃねぇよ。」


思わず一次の勉強をしていることに感動していると、倉間の容赦ないツッコミが。

だって意味わかんない因数分解とかしかやってないんだもん私!!


「これ…わかります?」


恐る恐る聞く速水が可愛い…というのはまず置いといて。


「えっとこれはね、まずYを基本にしてこうしてこうすれば…。」

「なんでこうなるの?」

「Yをこうするとほら、こうするとグラフにしたらちゃんと成立するでしょ?」

「おおお!!」

「す、すごいですね…。」


早速一仕事終え、フフンと鼻を高くしていると、今度は3年生から呼ばれた。


「ちょっとここの計算がわかんなくてよ、教えてくれないか?」

「悪いが、これは俺でもわからないんだ。」


三国先輩も車田先輩もアウトっスか!!

しかも理科とか…これは物体の運動だな…?
あんま得意じゃないんだよなー理科。


「えっと…この記録タイマーは1秒間に60回点を打つでしょ?つまり6打点は0.1秒だから、これを割って…。」


とまあいろいろと説明すると、剣城に教えてもらっていた天馬が目を輝かせてこちらを見ていることに気づき、ちょっと動揺した。


「名前すごーい!!!1年生なのに3年生のまでわかるなんて!!」

「本当にすごいな…。」


しかも拓人きゅんや蘭丸ちゃんの予習の手伝いもできたし、解説もわかりやすいって言われたし、私嬉しいよ!!!


「これだけすごいと、あっちでも相当いい点数取ってるんじゃない?」

「…。」

葵ちゃんの言葉に黙る私。

「…名前ちゃん?」

「…いや、あの…。」

「…もしかしてあんまりよくないの?」

「…はい。」



あれだけすごいすごい言われたけど、私の高校での成績を言った瞬間、回りの対応は一気に冷たくなった。






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