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とりあえずこのまま放置されても私が困るので、雷門のマネージャーになることになった。
「…と、まあいろいろありまして。何故か今日からマネージャーになった、名字名前です。よろしくお願いします…。」
うーん何ともぎこちない挨拶だ。
たまたま残っていた人に軽く事情を説明して、晴れてマネージャーとなった。
「にしてもよ、お前ほんとに俺達のこと知ってるのか?」
車田先輩がすかさず私に聞いて来たから、ちょっと興奮したけど荒ぶる気持ちは抑えて。
「雷門中の人は全員知ってるし、他にも…白竜とか真帆路とか太陽とか…。」
「な、なんで真帆路のことを知ってるド!?」
「ホーリーロードで雷門中と戦った学校の人は大体知ってるよ!!天城先輩と真帆路のところはほんっと感動した!!天城先輩が必死に真帆路に語りかけたあの幻影戦!!私もうゲームの前で号泣したもん!!!」
「ゲーム?」
「…テレビです。」
あぶないあぶない。
ゲームの世界ってわかっちゃったら私がオタクみたいに見られちゃう。
「それで…名前、お前は何年生なんだ?」
「あ、えっと1年生…?っていうか…。」
しまったーっ!!!!!
私は確かに1年生だけど!!
中学じゃなくて高校の1年生だよ!!
三国先輩に言われて、あーとかえーとか言って迷ってる私にフェイくんがすかさず、笑いかけてきた。
フェイくん天使すぎてマジ泣ける。
「名前はちょっと特別で、僕みたいにみんな呼び捨てでタメでいいって!!」
「あ、え…。」
フェイは私にウインクして、大丈夫と言ってくれた。
いますぐ抱きしめたいですいいっスか。
「とりあえず、もう帰った部員もいるから、明日もまた自己紹介してくれ。」
「了解です!!」
三国先輩に言われて、思わず敬礼。
私は明日から雷門中サッカー部のマネージャーになることになりました。
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