ピスティと惚れ薬

ピスティ「許して〜、ジャーファルさん〜」

ジャーファル「何度言ってもダメです!しばらくピスティは恋愛目的で男の人に声をかけるのは禁止です」

ピスティ「えー!!」



ピスティ「ちぇ、つまんないの」

男性関係の度重なる不祥事によりジャーファルから”恋愛目的で男の人に声かけるの禁止令”、サクッと言うと恋愛禁止令を出されたピスティは、機嫌を悪くして街へ出てきた。
そんなピスティの目に、ある男女の姿が飛び込んでくる。

エナ「えっ、あ、あの」

町人「受け取って下さい!ほんの気持ちなので!」

エナ「こんな素敵な花束、私は頂くに値しませんよ」

町人「いえ!貴女は美しい!」

エナ「困りましたね…」

ピスティはニヤリと笑みを浮かべ、彼らに近づいて行った。

ピスティ「エナさーん!」

エナ「あ、ピスティ。買い物に来たの?」

ピスティ「ううん、ちょっとね。それよりこの花束!どうしたの?」

エナ「あ、これは…」

町人「受け取って下さい!」

ピスティ「貰っときなよ〜」

エナ「…」



エナ「ピスティ、貰っちゃったよ、どうしよう」

ピスティ「え?なんで?」

エナ「(*)シンバとジャーファル以外の男の人にプレゼントを貰うなんて初めてだよ」

(*シンバ) =シンドバッド

ピスティ「もしかしてエナさん、ジャーファルさんのこと気にしてるの?」

エナ「当たり前でしょー、どうしよう」

ピスティ「チッチッチ、分かってないねエナさん。たまにはジャーファルさんを困らせることも必要なのよ」

エナ「こまらせる?」



場所は変わってピスティの部屋。ピスティはエナを引っ張って、椅子に座らせた。

エナ「怪しいよーピスティ、何するの?」

ピスティ「ジャーファルさんを困らせること!」

エナ「だめだよ、ジャーファルはいつも困ってるのに、」

ピスティ「じゃあエナさんはいつも同じジャーファルさんでいいの!?」

エナ「いいよ」

ピスティ「エナさんがジャーファルさんの癒しでいるのはいいけど、たまには刺激がほしくないの?」

エナ「まぁ、ちょっとほしいかも」

ピスティ「たまには自分の事で頭を悩ませるジャーファルさんを見てみたいでしょ!?」

エナ「見てみたい!」

ピスティ「じゃあこれ飲んで!じゃじゃん!」

エナ「これは、」

ピスティ「惚れ薬!」

エナ「なんてインチキな…でもちょっと面白そう」

ピスティ「でしょ!」

エナ「どんな効果があるの?」

ピスティ「ジャーファルさんは既にエナさんが好きだから、これを飲めば、えっと、更に夢中にする事ができるの!どう?いいでしょ?」

エナ「いいね!」

ピスティ「じゃあ、飲んでみて!」



エナが薬を服用してから部屋を出て行くエナを見送り、ピスティは1人で説明書を読み上げていた。

ピスティ「えーと、効果A、お色気アップ。初期にあらわれ、周りの異性をなぎ倒していく」

エナ(どうしよう、街でお花を貰う数が増えたよ、断わっても置き逃げされる始末…もう夜だから明日に花束を皆の部屋に飾りに行くとして、ジャーファルにどう説明したら…)

エナ「はぁ…ジャーファル、まだ仕事中なの?ごめんね、先に寝かせて」

ジャーファル「ちょっ、エナ?〜〜っ!
今、私に近寄らないで下さい!この部屋に来ないで!!」

エナ「え、私の部屋って、ジャーファルの部屋じゃ…、」



ピスティ「服用から1日目。お色気Max。周りの異性は抑えが利かなくなるほど服用者にメロメロ」

エナ(はぁ…お花を置きに部屋にお邪魔しただけなのに今日で何度ベッドに押し倒された?運良くヒナホホ殿やドラコーン殿に助けられてなかったらどうなっていたの…
街へ買い出しに行きたいところだけどやめよう。今日は引き篭ろう。ヤムライハに部屋を貸してもらってる事だし昼寝でも…)

「エナ様!」

エナ「リナーテさん、どうなさいました?」

リナーテ「エナ様宛に、花が届けられているのですが、物凄い件数でして…」

エナ「はうっ」

リナーテ「エナ様!?お気を確かに!」



ピスティ「服用から2日目。効果もラストスパートへ。服用者がビッチ化」

エナ「おねがい、帰っちゃイヤだよ。
今日、うちに泊まってく?それとも、私をお持ち帰りする?」

「ーっ、じゃあ、お持ちか」

ジャーファル「私の部屋で何やってんだぁぁぁぁ!!」

エナ「きゃっ」

ジャーファル「とりあえず名前のわからないお前は出て行きなさい!!それでエナ!なんですか今のは!」

エナ「ねえ、ジャーファル」

ジャーファル「ダメですよ、首に腕なんか回しても。頸やら鎖骨やらに興奮なんかしませっ、むっう」

エナ「はぁ…」

ジャーファル「キ、キスだって効果なしですからね!今日は本当に怒ってるんです!何ですかここ最近の貴女は!おかしいですよ!」

エナ「今日は寂しいの。ジャーファルで暖かくして?」


ジャーファル「この勢いでやるのはダメですよ」

エナ「じゃあ、代わりにキスさせて」

ジャーファル「…分かりました」



ジャーファル「ピスティ!!罰としてしばらく外出禁止!!」

ピスティ「更にひどくなったよぉ〜」

ジャーファル「エナ!あなたもしばらく王宮の者以外の男の人と接触しない事!」

エナ「え、私も!?」

ジャーファル「当たり前です!あと花の処理を!生けるなりして無駄のないように」

エナ「はぁい…」

ジャーファル「もう、私以外の人に媚び売るんじゃありませんよ」

エナ「もちろん!」

ジャーファル「はぁ、どうだか」

エナ「信じてジャーファル!なんなら今ここで愛を確かめ合ってもいいよ!」

ジャーファル「エナ!さてはまだ薬が抜けきってないのでしょう!」

エナ「お願いだよぉ〜」

28.3.24
こんな事になると思ってなかったピスティさん

*R18ver.は”plus @”にて閲覧できます
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