revenge!!

強靭な『壁』に惨敗してから三ヶ月。



ブロックが目の前からいなくなって ネットの向こう側がぱあっと見えるんです




そんな場面も今まであったはずだけど どうしても『鉄壁』の向こう側はイメージできなくなっていた。



『鉄壁』の向こう側は  どんな景色だろうか。





「日向頼んだ!」
「はい!」
ネット少し近め。青根・茂庭・小原の3枚ブロック。
「夕!フォロー!!」

ボッッ!!

「ウオッッ!!」
「にしのやアアア!」
「拾った・・・!」


西谷のブロックフォロー。日向はもう一度ネットから離れ、澤村・田中と共に影山のトスをもらおうと走る。
「烏野は前衛3枚・・・!誰来る!?」


「持ってこおおおおい!!!」
「10番!!」
ネットを挟んで同時に飛ぶ青根と日向。しかし、本命は日向じゃない。後ろから迫る圧倒的存在感。烏野のエース東峰のバックアタック。


「エースの前の道を、   開く」


トスを、方向を切り替える。菅原さんの分まで、俺が旭さんに・・!





ネットの向こう側が、ぱあっと





・・・ああ   これか




ズドッッッッッッッッ!!!



「よっ しゃあああ!!!」
日向を囮に差し込まれた旭の光。パイプ攻撃。
「旭さん・・・俺、なっ泣きぞっ・・」
「もう泣いてんだろー、陽」
「スガさんだって泣きそうッス」


「お前ら・・・凄いよ。

ありがとうな」
「何言ってんすか!決めたの旭さんデショ!堂々としてホラ!」




「いま、決めたの俺じゃないのに・・・俺、スパイク打ってないのに・・・

すごいゾクゾクした!」

「だろ。____『最強の囮』もエースに劣らずカッコイイだろ」

「最強の囮・・・!おう!」









「さあ・・・俺達、こっからが正念場だぞ」










東峰のパイプ攻撃が決まり、1セット目をとった烏野。
そして2セット目は、ローテを二つ回し青根と日向のマッチアップ数を減らす作戦を烏養が練った。
「あのデカイ7番が日向をマークしない分は、当たり前だけど他の奴をマークするってことだ」

「俺も・・日向に頼ってばかりもいられないです。日向が活きてこそ俺達も活きる。ちゃんと『エース』らしい働きして見せます!」

「「「「旭さんマジかっけぇース!!!」」」」
「「おお!育ったな旭・・・!」」
「親戚か」

「俺にも!!__任せて下さい!!」
「陽?」
「俺は日向よりも、あの7番よりも、ここのコート内の誰よりも身長がある。

俺なら、あいつに勝てます!!!

影山!トスばんばんくれよ!」
「うす!分かりました陽さん!」
「おおお!!かっこいいっす!!」
「一試合目サボったんだから当たり前だボケ!!」
「アダッツ!龍てんめっ!!」
「おう。北来!任せたぞ!」





【第2セット開始】



「烏野はローテーション回してきた・・あのチビと青根のマッチアップを避けるためですね」
「どういうマッチアップになっても、ただ目の前のスパイカーを止めるだけだ」

「俺達普段はクソ生意気な問題児だからな。試合でくらいイイ後輩でいなくちゃな」








烏野 17−17 伊達工

「二口ナイッサー!!」

「大地さんナイスレシーブ!」

前衛には東峰・北来・影山。
東峰は澤村、影山と繋がれたボール目掛けて飛ぶ。陽がブロックを少しは減らしてくれた。しかし、青根とかいう7番はついてくる。
もう2度と・・・折られてたまるか!!

バッチ!!!

「ワンタッチ!!」「カウンター!!」
「旭さんナイス!」「切らすな集中ッ!!」

「かっ烏野にだって__」

「旭さん行きますよ!!「せーのっ!!」」
「ッッしゃ!!!」

「壁はあるんです!!」

「速攻止めたッ!!」
「烏野の3番4番は身長高いなぁ」
「パンフ見た!?北来って4番、195だってよ!」
「県内1番かもな!」

烏野 19−18 伊達工

「おっ、ここで上がってきた!烏野のチビ!」

日向IN 西谷OUT 北来サーブ

「陽!ぉおおい!決めろよ!!」
「北来ナイッサー!!」

ピッ!

ボールを床に叩きつけるルーティン。もう何回も積み上げてきた成功のイメージ。今なら、行ける・・・!!!

とっっ______
「がっっ!!」

ピッ!!
「スミマセン!」「どんまい作並!次!」

「うぉぉおっしゃああ!」
「陽!やれば出来るじゃねえかぁ!」
「っるせえ夕!!フツーに頑張ればできるわ!」

「うわっ!伊達工のリベロを折った!」
「はぁ!?ジャンプサーブ!?」
「さっきは普通の打ってたよな?」
「使えるのはセッターだけじゃなかったのか!」

「2m近い北来君がサーブを打つと、雷みたいですね!!」
「・・・雷、か」

「陽もう一本ナイッサー!!」
「次は止めるっ!!」


北来のサーブ。東峰と日向のスパイク。好調な烏野はマッチポイントを迎えた。



烏野 24−22 伊達工



ドガッ!!!
「ちっ、くしょ・・!!」

陽のスパイクは青根と二口に捕まり、背後へ返る。

「俺に__任せろ!」
「ゆう!!ナイスフォロっ!」

「上がったァァァ!」「カバー頼むッ」

「レフト! もう一本!!!」
「っ!東峰さん!」
「影山ナイスカバー!」

影山がカバーした位置はかなり後ろ。いくら天才と言えどもこればかりは難しい。ほぼ後ろからのトス、ネットに近く上がり、これをまたもや伊達工の鉄壁たちが触りに来る。
そして東峰と青根の、

「お、押し合い!!!!」

「旭さん!負けんな!」「旭ッッ!!」

「うっ・・・!!」

やばい!落下するボールは囮に飛んだ俺じゃムリ____あ、夕・・・















_____間に 、






合わな



「_____!!!!」










トンっ____________









瞬間、勢いに勝て。ボールの勢いにも、相手の勢いにも。



『勢い』を殺すのが、リベロ_____







「足_____っ!!!!」



フワッ_________




「「「もう一回!!!!」」」



何度 壁にぶち当たろうとも トスが上がる限り



戻れ すぐ戻れ


十分な助走距離の確保を 全力のジャンプを

何回でも

何回でも

何回でも!!!!


思考を止めるな 足を止めるな







気持ちを切らせば


ボールが落ちるぞ!!!!!





「もう一回!!!!」
「決まるまでだ!!!」



「_________はっ、」

旭が得意なのは、ネットから少し離した______


「高めのトス___」


ゴッッッッツ!!!!


鉄壁に跳ねて横に飛ぶボール。
ネットに引っかかり、落ちるのは______



トッ




ピッ!

烏野 25−22 伊達工



「おおっシャァァァアア!!!!!」



試合終了


勝者: 烏野高校



29.8.29

[ 17/38 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -