まぁこうなることはわかってたの。なんていったって仁王雅治は普段あんなでもテニス部レギュラーだしモテる。その仁王とあたしが(不本意だけど)最近よく一緒にいるし、仁王は付き合ってた女全員切ったらしいし、そりゃまぁこうなるわな。





「雅治はね!あんたのことが好きなわけじゃないんだからね!」

「ただ自分に興味ない子が珍しいだけなんだから!」




勘違いしてんなブス!

とわーわー言う女子軍団になんと言えるだろうか。って感じであたしは仁王ファンに屋上で囲まれてる、なう





「はぁ」

「聞いてんの!?」

「いやあのあたしにどうしろと」

「あのね、」





今まで黙っていた綺麗な子(リーダーっぽいね)が口を開いた。





「雅治はね、自分に興味ない子が許せないのよ。だから振り向かせようと躍起になる。でも相手が振り向いたらもう用無し。ぽいっと捨てるの」

「……」

「いい?あたしは忠告してあげてるの。傷付く前に雅治から離れた方がいい」






そう言うと軍団を率いて屋上を出て行った。あの表情からしてさっきのはあの子の体験談なんだろう。そしてあの子は今でも仁王が好き、





「はー……」





なんなんだよ。あたしは仁王を好きになっても報われないし、あたしが仁王を好きになるまであいつは離れないってことじゃんか。あたしにどうしろっての、





「めんどくさい」





まぁ今まで通り、
仁王や女の子達に振り回されるのも癪だから落ち着いて普段通りいよう。









(心が少しざわついたのは、ないしょ)






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