「はぁ……かっこいいなぁ」


「………」


「はぁ……」


「なぁ、」


「なにー」






昼食べ終わっていつもなら寝るこの時間も、今日ばかりは寝ていられない。
なぜなら幸村くんのクラスが外体育なのだから!(リサーチ済)
幸村くんも最近は調子いいみたいで参加してるし、見るほかないだろこれ!




……とまぁ目をかっぴらきながら幸村くん観察をしていたわけなんだが、それもひょこひょこついて来た仁王の手によって遮られてしまった。






「……ちょっと、見えないんですが」


「見る必要なか」


「いやいやいや」


「いやいやいや」






ぎろりと睨めば睨み返されてしまった。こわ! あまりの迫力にこっちが先に目を反らしてしまった。ちくしょー負けた!







「なんだよー……」






若干悔しくてぼやいてみるとチッという音が聞こえた。え、舌打ち?今の舌打ちなのか?







「……お前さん、幸村が好きなんか」


「(ん?)え、まぁ」


「!」






がしりと肩に衝撃。近付く仁王の真剣な顔に一瞬息が止まるような錯覚に陥る。






「……な、に」






なんとか声を出したけど目は仁王から反らせなかった。
そんな真剣な顔見たの、初めてなんですけど、






「たとえ相手が幸村でも俺は諦めんよ」


「、え」


「奪っちゃるけぇ覚悟しんしゃい」








「……ん?」







なんとなく張り詰めた空気の中、あたしのアホみたいな声が屋上に響いた。







「ん?……んんん?」

(奪う?なにを?幸村くん?たとえ相手が幸村くんでも?あ、試合のこと?)






仁王が真剣な顔してるーって思ってたあいだに色々言われて混乱したあたし。






「(多分試合のことじゃね?)あーうん頑張って」


「!」






くつくつと笑い出した仁王。よくわからないが私も笑い返しておいた。






「ほんっとお前さんは面白いぜよ」


「はは、は?」


「さっきの言葉、覚えとくんじゃよ」






さっきの言葉ってどれだよ!と思いつつ、これ以上しゃべると墓穴掘るような気がしたのでやめておく。







仁王がにっこり笑ったのと5時間目終了のチャイムがなったのは同時だった。





屋上ランデブー


(あー!!ゆ、幸村くん観察が……)
(プリ)
(あたしの至福のときを返せ!!)



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