「名前!僕と勝負しろ!」


「ははは、弓親さんのほうが強いんでやめてください、あたし死んじゃうんで、はははは」


「ムカつくー!!」


「ははは、美しくないですよ綾瀬川さん」


「キィー!!」







目の前で地団駄踏んでるこの人は本当に美しいもの大好きなあの綾瀬川弓親五席なんだろうか。
急に呼び出されてなんだなんだなんかくれんのかと期待して来てみればこれだ。しかし前にも断ったはずである。ダルいのである。
というかこちらも不本意だが一応三席なわけだからそんな口の聞き方どうかと思うよ!






「だから僕は名前が三席なんて信じてないってば!」


「あたしだって三席なんてなりたくないよ!」


「僕のほうが強いってこと証明してやる!勝負しろ!」


「だから弓親のが強いって……言ってんだろォォォ!!」






いい加減しつこかったから取り乱してしまった。おっとあたしとしたことが、







「「一角も言ってやってよ!!」」








見事にハモってしまったその声に苛立ちつつ一角を見ると何とも言えない顔をしていた。







「なにその顔」


「いや……」


「ま、まさか一角名前のほうが強いと思ってるわけ!?」


「いや……」


「はっきりしろよハゲ(ボソッ)」


「あぁ!?」






あたしの発言に青筋を浮かべた一角だったが、すぐにまた何とも言えない顔をしてあたしの後ろを指で差した。そして振り向こうとする前に首が無理矢理回された。







「いだァァァア!!?」


「よぉ、楽しそうな話してんじゃねぇか名前」


「う……けん、ぱち」


「俺も戦いてぇなぁお前と」







いまだあたしの頭を掴み、ニヤリと笑った剣八にダラダラと汗が流れる。気がする。







「あたしなんかが剣八と戦ったらすぐに死んじゃうから」


「あぁ?」








助けを求めるように一角に目をやると、にやにやしながらこりゃあ戦うしかねぇな、と弓親と話している。
こいつ……っ!こうなることわかってたな!
さっきの何とも言えない顔は笑いを堪えていたということに今更気付いたあたしはキッと一角を睨む。弓親も弓親で隊長と名前が戦うなら僕はいいやぁーなんて言ってるし(ふ・ざ・け・ん・な!)







「えぇぇ!あだ名けんちゃんと戦うの!」


「いやいやいや戦わないから」


「いついつ?いま?いま戦うの?よかったねぇけんちゃん!」


「ちょ、話聞こうか」







なぜか戦う方向に話が進んでいるがこっちにそんなつもりは全くないのである。








「だいたいあたしと戦ったって面白くないと思うよ、うん」


「そんなんで俺を騙せると思ってんのか」


「えー?」


「弱いとか言ってるが俺にはわかる。お前は強ェ」


「え!僕のが強いですよね!」


「俺はお前と戦ってみてぇ」


「隊長?無視!?」







………



なんだこの空気。


「そんなに言うなら……」
とか言うとでも思ってるんだろうか。
剣八の手の力が緩んだのを見計らって全力ダッシュで逃走した。








全速力 回避セヨ!



平和にいきましょう、平和に。








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りはびり
某曲よりタイトルお借りしました。
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